2024年12月04日

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全社成長は1桁台に、地方店の苦戦目立つ

大手百貨店4社の10月売上高はいずれもプラスで、阪急阪神百貨店が5.2%増、大丸松坂屋百貨店が2.4%増、三越伊勢丹が1.7%増、高島屋が1.4%増となった。免税売上高は「国慶節」期間の客数増加もあり、好調が継続している。10月に入っても夏日が続いたことで、秋冬物衣料品の動きが鈍かった。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は1.4%増で、店頭に限ると0.6%増、免税売上高は35.1%増、免税を除いた店頭売上高は3.6%減を示した。店舗別では12店舗のうち6店舗が増収で、新宿(7.5%増)、京都(6.7%増)、日本橋(5.8%増)、大阪(3.6%増)、横浜(2.3%増)、高崎(0.4%増)がプラスだった。

主要5品目は家庭用品(3.2%減)、食料品(0.9%減)、衣料品(0.7%減)の3品目がマイナスで、身のまわり品(4.4%増)、雑貨(1.2%増)だった。品目別では家電(17.2%増)、化粧品(6.4%増)の伸び率が高かった。法人事業(26.0%増)は受注が堅調に推移し、前年実績を上回った。クロスメディア事業(11.7%減)は、通販カタログの計画的な部数、ページ数削減の影響により前年実績を下回った。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は1.7%増で、22カ月連続プラスだった。伊勢丹新宿本店(5.7%増)、三越日本橋本店(0.2%増)、三越銀座店(10.1%増)の旗艦店を中心に高付加価値商材の好調が続き、三越伊勢丹計は3.8%増となった。

主要5品目は家庭用品(6.4%減)、食料品(1.9%減)を除いた3品目がプラスで、身の回り品(6.0%増)、雑貨(5.3%増)、衣料品(1.0%増)だった。上旬は年間夏日の最高日数を更新し、防寒アイテムが振るわなかったが、下旬に寒暖差が大きくなり始めると、ジャケットやアウターなどのアイテムが動いた。引き続きラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ、宝飾、化粧品などが堅調だった。免税売上げは前年を超えて推移し、国内百貨店(既存店)の全体傾向と同様に高付加価値商品への関心の高さが継続している。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比2.4%増で、22カ月連続でプラス。関係百貨店を除いた店計は1.6%増、入店客数は2.6%増だった。店舗別では静岡(8.1%増)、心斎橋(6.6%増)、札幌(6.1%増)、梅田(5.9%増)が伸び率が高かった。

主要5品目は衣料品(2.8%減)を除いた4品目がプラスだった。雑貨(10.0%増)が引き続き好調で、中でも化粧品(15.9%増)が高い伸びを示したほか、美術・宝飾・貴金属(9.6%増)も外商顧客向け催事の影響で伸長した。婦人服・洋品(1.0%減)は、ラグジュアリーブランドが好調を維持したものの、秋冬物衣料品の動きが鈍くマイナスとなった。紳士服・洋品(14.0%減)も、高気温が響き、ブルゾンやセーターなど秋冬物が低調だった。身の回り品(3.4%増)は、国慶節から続いたインバウンド需要でアクセサリー、ハンドバッグが好調を維持している。食料品(1.7%増)は、物産展催事が寄与しプラスとなった。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は5.2%増と27カ月連続プラス。阪急本店は8.1%増、阪神梅田本店は6.9%増、支店計は0.5%増だった。支店のうち宝塚阪急(9.3%増)、阪神・御影(7.8%増)、博多阪急(7.3%増)、阪神・にしのみや(6.8%増)がプラスだった。

主要5品目は家庭用品(2.2%減)、衣料品(3.1%減)を除いた3品目がプラスで、身の回り品(11.8%増)と雑貨(11.3%増)が2桁の伸びを示し、食料品(2.5%増)も堅調だった。