2024年10月08日

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京阪百貨店の新業態、化粧品のセレクトショップが枚方モールにオープン

国内外の約50ブランドを揃える「ナナイロ ボーテ」

京阪百貨店が新業態を立ち上げた。化粧品のセミセルフ型のセレクトショップ「ナナイロ ボーテ」で、9月6日に開業した京阪・枚方市駅直結の商業施設「枚方モール」の2階に入居。国内外の約50ブランドを取り揃え、化粧品売場では珍しい生花も扱う。免税手続きにも対応し、枚方市駅周辺の住民だけでなく、訪日外国人の需要も取り込む。

ナナイロ ボーテは枚方市駅東改札口の近くで、枚方モールに入って左側に位置する。まさに一等地だ。「ディオール」「シャネル」「イソップ」「サボン」「ナーズ」「ジバンシィ」「スリー」といった国内外の人気ブランドを、自由に買い回れる。セミセルフ型だが、“百貨店らしさ”として接客の質も重要視。販売員は、百貨店内のショップに入ったり、オンラインで研修を受けたりして、事前に知識や技術を身に付けた。溝口修司営業本部ファッション・リビング統括部マネージャーは「セミセルフ型だからこそ、販売員には幅広い知識が求められる。(百貨店が手掛ける化粧品のセミセルフ型のセレクトショップとしては)後発ゆえに、知識とカウンセリングで競合に勝つ」と狙いを明かす。

やや奥まった位置には、バス関連やボディケア、ナチュラルコスメなどを集積

売場の構成にもこだわった。「ショップの正面にはラグジュアリーコスメを、(奥へとつながる)通路にはメゾン系のフレグランスを、奥にはバス関連、ボディケア、ナチュラルコスメを、それぞれ配置。ラグジュアリーコスメで惹き付け、中に入ってもらうとともに、目的や用途に合わせて買いやすくした」(溝口氏)。イベントスペースも2カ所を擁し、週替わりや月替わりで「美」や「健康」をテーマに目新しいモノやコトを展開する。溝口氏は「常にワクワク、ドキドキしてもらいたい」と力を込める。

イベントスペースを構え、週替わりや月替わりで目新しいモノやコトを提供する

化粧品売場では異例の、生花も販売。季節で変わり、ブーケも可能だ。「関西では生花は贈答需要が中心だが、周辺に多い学生などに気軽に買ってほしい」(溝口氏)と自家需要の開拓を狙う。

京阪百貨店は2016年から自主編集売場を拡大しており、衣料品の「トラディショナルスタンダード」を皮切りに、雑貨の「ナナイロフルール」、家庭用品の「くらしのこみち」、冷凍食品を中心とする「ゴエフ」などを開いてきた。ただ、いずれも守口店内に位置しており、ナナイロ ボーテは百貨店外での収益源を確保するための試金石だ。

(野間智朗)