2024年10月14日

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H2O、衣類の循環システム構築へ 実証実験を開始

ロゴマークは水の分子構造をモチーフにした

エイチ・ツー・オー リテイリングはこのほど、環境省の「令和6年度使用済衣類回収のシステム構築に関するモデル実証事業」に応募し、採択された。これに伴い、グループ傘下の阪急阪神百貨店、エイチ・ツー・オー商業開発を含む賛同企業9社と大阪府と協業し、再資源化を見越した衣類回収に関するモデル実証事業を実施する。

同社は大阪府と2021年7月に包括連携協定を締結しており、それに基づく取り組みの一環。衣類の効率的かつ効果的で持続可能なサーキュラーシステムの構築を目指し、不要となった衣類を回収・選別後、再販やマーケットニーズに合ったリサイクルへとつなげる。実証実験の名称は「oHOHo CYCLE PROJECT(オホホサイクルプロジェクト) “みんな微笑む『すてない』未来へ“」。

事業スキーム

具体的には24年10~11月にかけて、大阪府にある青山商事、阪急阪神百貨店の店舗と、H2O商業開発、JR西日本SC開発、阪急阪神不動産が運営する商業施設で衣料品の回収を実施。プロジェクトの普及、啓発活動はMILKBOTTLE SHAKERSが担当する。

回収した衣料品は、ファイバーシーディーエムが保有する国内最大級の選別工場(大阪府泉南市)で一元的に選別し、運搬にかかる二酸化炭素(CO2)の排出削減に貢献する。選別後は、ファイバーシーディーエムが運営する古着店舗でリセールを実施すると同時に、再製品化を見越したリサイクルへとつなげる。また、帝人フロンティアをはじめ賛同企業と共に、再資源化・商品化に向けた研究と事業者とのパートナーシップの構築および拡大を行う。

回収・選別の状況や、この取り組みによるCO2排出削減量などの環境価値を、Earth hacksが提供する「デカボスコア」で公表する。デカボスコアとは、商品やサービスのCO2排出量の削減率をスコア化した指標。環境に配慮した工夫によって変化するCO2排出量の削減率を一目で分かりやすく表示する。

H2Oと大阪府は今回の実証事業を踏まえ、さらに賛同企業・市町村を募り、25年4月には大阪発「サステナブルファッション・プラットフォーム」を構築することを目標としている。