2024年05月21日

パスワード

購読会員記事

山形屋、私的整理へ

山形屋は10日、私的整理の1つである事業再生ADRの手続きを申請したと発表した。メインバンクの鹿児島銀行をはじめとする金融機関と協議を重ねながら、事業再生計画の策定を急ぐ。同社は大型商業施設の進出に伴う競合の激化、新型コロナウイルス禍などの影響で業績が悪化。金融機関に対する負債の総額は約360億円に上る模様だ。金融機関の支援で再建を目指し、店舗の営業は継続する。

山形屋は10日付で自社のウェブサイトに「今後の経営改善に向けた取り組みに関するお知らせ」を掲載。「近年の大型商業施設の進出に伴う競争の激化に加え、建物の耐震工事やフロアのリモデルを目的とした設備投資を行った矢先に新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重なるなど、当社グループを取り巻く環境は急激に変化しております。そのような状況においても将来を見据えて持続的な経営を行うべく、当社グループとしては、鹿児島銀行様をはじめとした取引金融機関の皆様と協議を重ねた上で、事業再生ADR手続を活用するに至り、現在、収益性確保と資本強化、そして持続的成長を目的とした、より確実性の高い事業再生計画案の策定に取り組んでおります」(原文ママ)とした。

今後については「メインバンクである株式会社鹿児島銀行様はじめその他の取引金融機関の皆様からも、当社事業への深いご理解と厚いご支援を頂戴しており、当社グループの確実な事業の再建に向けてスクラムを組んで手続を進めております。そのため、当社グループとしましては、近々、当社グループ策定の事業再生計画案について、取引金融機関様の同意を得て成立する見込みと考えており、これにより当社グループの経営改善に向けた体制が整うものと考えております」(原文ママ)という。