2024年12月15日

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大丸松坂屋百貨店、百貨店業界で初めて3Dアバターを販売 メタバース市場開拓に本腰

5体の3Dアバターを発売する。価格は3万円~3万6000円

大丸松坂屋百貨店は17日、インターネット上の仮想空間「メタバース」などで使えるオリジナルの3Dアバターを発売する。アバターのファッションに精通する企業、Vと組んでVTuberであり3Dモデラ―でもあるもちひよこ氏ら14人のクリエイターを起用し、5体を制作。ピクシブが運営するネット上の総合マーケット「BOOTH」で17日の18時に販売を始める。価格は3万円~3万6000円。オリジナルの3Dアバターを販売するのは、百貨店業界で初めてという。

アバターのコンセプトは「正装」。サンゴや海藻をモチーフにした「瑚紅姫(ここひめ)」、中国の青磁器をモチーフにした「龍青(りゅうせい)」、「空気をまとう」をイメージした「風璃(ふうり)」、蝶や華をイメージした「鳳蝶(あげは)」、デルフィニウムをモチーフにした「彩千華(さちか)」の5体からなる。いずれも、ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」に対応する。

販売に先駆けて、9日の午後9時からVRChat内の特設ワールドで試着会を実施。5体の使用感などを確かめられる。

大丸松坂屋百貨店は3Dアバターを制作した理由について「メタバースで活躍するクリエイターを企業として支援し、成長するモデルを構築するとともに、メタバースの生活者の暮らしを彩り豊かなものにしたい」と説明する。

同社は2020年にHIKKYが開催する世界最大規模のVRイベント「バーチャルマーケット」に出展。商品や3Dモデルなどの販売、バーチャル接客などを通じ、メタバースのノウハウを蓄積してきた。3Dアバターの販売は、新たなステップでもある。同社は中期経営戦略でリアルとデジタルを融合させた新たな体験価値の創出に取り組んでおり、メタバースもその一環。同社はメタバース市場を「国内・海外共に今後大きな成長をみせると考えられる」と捉えており、今後も新しい体験価値や商機の創出を急ぐ。

(野間智朗)