2024年05月01日

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2023年8月 東京・大阪地区百貨店売上高

24カ月連続プラス、記録的猛暑で盛夏商材が活況

 

日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の8月売上高は1135億円余で、前年比(店舗調整後)は10.0%増と24カ月連続でプラス、入店客数は12.2%増と8カ月連続のプラスで共に2桁増だった。記録的な猛暑が続いたことで盛夏商材が活発に動き、高付加価値商材や免税売上げも増勢し業績を押し上げた。コロナ禍前の2019年比は1.7%減だが、18年比は3.0%増。消費増税前の駆け込み需要の影響のない年との比較ではプラスを記録した。

3カ月移動平均値は、直近の6~8月が10.8%増、5~7月が10.1%増、4~6月が9.8%増、3~5月が10.7%増、2~4月が14.5%増、1~3月が17.2%増。プラス基調が継続する中で、2桁増の勢いに戻りつつある。

商品別では、食料品を除く4品目がプラスとなった。主力の衣料品は23カ月連続のプラスで14.3%増と8カ月連続で2桁台。外出機会の増加と猛暑で、ワンピースやブラウス、Tシャツなどのシーズンアイテムが好調だったほか、前月に続き浴衣も伸長した。長引く猛暑で秋物商材の動きは少ないものの、薄手の羽織物やカットソーなど秋まで着られるアイテムが堅調だった。

身回り品は17.2%増で24カ月連続のプラス。ラグジュアリーブランドの増勢が続く中、さらにインバウンドの高伸長も売上げを押し上げた。日傘や帽子、サングラスなどの暑さ対策商品も前月に引き続き好調に推移したほか、旅行需要からキャリーケースなど旅行用品も伸長した。17.3%増で同じく24カ月連続プラスの雑貨は、化粧品が脱マスクの浸透からスキンケアや日焼け対策のUV関連商品が好調で、インバウンドも加わり36.1%増と大幅な伸びをみせた。

食料品は1.2%減で4カ月ぶりのマイナスとなったが、旅行や帰省など手土産需要から菓子が好調に推移した。食堂・喫茶はビアガーデンやレストランへの入店客数増加に伴い大幅伸長し、25.6%増で18カ月連続のプラスだった。

(北田幹太)