2024年12月14日

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「無印良品 銀座」と「銀座ロフト」が9月29日に新装オープン

9月29日無印良品 銀座リニューアルオープンのビジュアル

銀座・並木通りに立地する「無印良品 銀座」と「銀座ロフト」が9月29日に同時リニューアルオープンした。今年に入って新型コロナウイルス禍が収束に向かい、銀座の街に賑わいが戻り、訪日外国人の来街も増えたことなどから、発信力や提案力の強化を狙い改装に踏み切った。無印良品は、世界の知恵や文化から学んだ食とキッチンを中心に、銀座ならではの特別感を体験できる店舗を目指す。ロフトは1~5階を再構築し、銀座ならではの最新のトレンドを踏まえたテーマと品揃えを強化。6階にはニトリの小型店フォーマット「ニトリ EXPRESS」を導入した。

2019年4月にオープンした世界旗艦店の無印良品 銀座(売場面積約3980㎡)は、地下1階~地上6階が無印良品の店舗、7~10階がムジホテルギンザ。今回の改装ではMUJI Dinerが入る地下1階と2、3階を全面閉鎖、1階のMUJI Bakeryも閉じて工事を進め、MUJI Dinerを一新したほか、店内焙煎コーヒーやワインの本格展開、ベーカリーで新しいMDを打ち出すなど、銀座の食文化の発信力を強めた。

地下1階のMUJI Dinerが提供するパスタメニュー

食を展開する1階では、世界各地から取り揃えた豊富な品揃えのコーヒー豆を店内で焙煎して販売。9月8日にオープンした「無印良品 グランフロント大阪」で販売を始めた11種類のコーヒー豆のほか、無印良品 銀座限定の銀座オリジナルブレンドを加えた12種類を揃えた。これらのコーヒーはMUJI Diner、1階のMUJI Bakery、6階のCoffee&Salonでも提供する。

1階のMUJI Bakeryは、これまでのメニューを一新。毎日食べても飽きない全粒粉入りクロワッサンをメインに、焼き立てのパンと店内で焙煎したコーヒーを提供する。買ってすぐ食べられる、持ち帰れるストリートイタリアンフードのフォカッチャサンドも発売した。

MUJI Bakeryが提供する全粒粉入りクロワッサン

4階のキッチン用品は「つくる」、「盛り付ける」、「語らう」、「味わう」、「集う」、「祝う」など、食の営みにおける豊かな想いにつながるように、売場をテーマで再編集し品揃えを拡大した。MUJI Dinerで使用するイタリアの業務用食器や調理器具、屋内外でつくる楽しみを広げる日本製のアルミ調理器などが加わっている。5階ではヴィンテージ家具の販売とリペアサービスがスタート。銀座のひと時を楽しめる場となる6階のCoffee&Salonは自家焙煎珈琲、国産ウィスキー、カクテル、ピンサなどの軽食を取り揃え、人と人とのつながりやコミュニティが感じられる場所にしていく。

今回の改装では銀座の街とつながる取り組みも強化。その拠点となるのが、6階で毎月開かれる「銀座ひと繋ぎBar」だ。1922年創業の歌舞伎座路地裏に佇む老舗和菓子屋「木挽町よしや」の三代目、斉藤大地氏が立ち上げた「銀座ものひと繋ぎプロジェクト」と連携して「銀座ひと繋ぎBar」を開催。銀座の街にゆかりがあるゲストを招き、人と人の新しい出会いの場を提供してきた。今回の改装を機に参加枠を20人から40人に拡大。改装後初回となる10月は、三笠会館の堀田瑞江氏を招く予定だ。

各階には買い物をサポートする専門スタッフを配置した。内訳は1階にワインソムリエ、コーヒープロフェッショナル、2階・3階にスタイリングアドバイザー、パーソナルカラー診断、肌診断、4階にナチュラルクリーニング、5階にインテリアアドバイザー、整理収納アドバイザー、6階にバリスタを擁する。

銀座ロフトではアーティストユニット「maguma」による新装開店をテーマにした作品を1階エントランスで展開

17年6月に銀座ベルビア館の3~6階にオープンした銀座ロフトは、19年4月に同館の1~2階に増床し、6フロア構成となった。ロフト1号店の渋谷ロフトと並ぶ旗艦店である銀座ロフト(売場面約4357㎡)は「思わず立ち寄りたくなる店舗」をテーマにリニューアルが進められた。キービジュアルを国内外で話題のアーティストユニット「magma(マグマ)」が担当しており、1階エントランスに“新装開店”をテーマにした作品が登場している。

改装オープン後の商品数はトータルで約5万5000種類。文具雑貨(2万3500種類)、健康雑貨(1万4500種類)、バラエティ雑貨(8500種類)、生活雑貨(8500種類)の4領域に加え、「MoMA Design Store」、こだわりのカフェ「2foods」、植物専門店「the Farm UNIVERSAL Ginza」、眼鏡ショップ「JINS」、トレンドウォッチと修理工房「オンタイム」、スマートフォン修理「iCracked」、唯一のアンティーク雑貨常設店「ヴィンテージDeco」、プリント加工サービス「ロフプリ」に、ホームファッションの「ニトリEXPRESS」が加わった。

佐藤製菓(青森県)のプチイモ当て(1階のよりみち)

新・銀座ロフトのアンテナフロアである1階(カフェ&フード)には「よりみち」、「わきみち」、「まわりみち」をテーマにした各常設コーナーと、月や季節ごとに替わるマーケットスペースを展開。お土産、手土産になるご当地菓子や特産品、話題の商品や新商品など日本と世界の食品、雑貨を集積した。

よりみちには、石川県諸江屋の落雁「めでたんす」や、津軽で正月・お盆の定番お菓子となっている青森県佐藤製菓の「プチイモ当て」など、日本各地の菓子やお茶を集積。わきみちには、“角打ち”をテーマにした売場が登場し、全国各地から集めたご当地ワンカップ酒をはじめ、おつまみ、升や豆皿などが並ぶ。まわりみちには、コーヒーからチョコレート、ビールなど、デザイン、味で選び抜いた世界の逸品が集められた。このほか、1階にはオルタナティブコーヒービーンズブランド「虎へび珈琲」の常設コーナーを設けた。

2階(美と健康雑貨)は、話題の商品のテスターが自由に試せる「テスターバー」がリニューアルされたほか、韓国コスメをはじめとするアジアンコスメの売場を拡大し、ボディーケアは新商品を中心にギフトコーナーを新設。3階(ファッション雑貨、バッグ・トラベル用品、デザイン雑貨)は、オンの時間をより楽しく、オフの時間はより快適に過ごせるように、デザイン性・機能性に注目したアイテムを集積する。

アメリカ発の着圧ソックスブランド「Sockwell」(3階ファッション雑貨)

4階(生活雑貨)は、「食」と「暮らし」にまつわるアイテムを中心に、食事と料理の時間が楽しくなるアイテムを充実。新たに「PANTRY」をイメージした売場や日本の四季が感じられるシーズンコーナーを設えた。日本での店頭販売は初展開となる韓国のプレミアムヴィーガンライフスタイルブランド「LAVOIR(ラヴア)」が登場した。

5階の文具、バラエティ雑貨のフロアでは、こだわりの文具やキャラクター雑貨の品揃えを強化し、カード&ラッピングコーナーを拡充。日本での店頭販売が初となる韓国文具の「Beesket Studio(ビースケット スタジオ)」と「MOHS(モス)」の2ブランドが登場した。 「乙女のアンティーク蚤の市」をコンセプトにしたヴィンテージDecoは、アンティーク手芸材料&ヴィンテージ雑貨などが揃う唯一の常設ショップとなる。

6階のニトリEXPRESSは、ホームファッション商品を主に取り揃えた小型店フォーマットでありながら、大型家具やオーダーカーテンの注文など、ニトリが展開しているサービスをフルで提供している。

(塚井明彦)