2024年05月30日

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スキャンデックス、「レ・クリント」がデンマークパビリオンに出展

6月14~16日に東京ビッグサイトで開催された「インテリアライフスタイル2023」。デンマークの7ブランドが集結した「デンマーク・パビリオン」が登場した

スキャンデックスは6月14~16日、東京ビッグサイトで開催されたライフスタイルマーケットの国際見本市「インテリアライフスタイル2023」の「デンマーク・パビリオン」に参加した。同社が販売する照明ブランド「LE  KLINT(レ・クリント)」を含むデンマークの7つのインテリアブランドが集結。インテリアスタイリストの中林友紀氏(以下、中林氏)が、「日本の住空間の中のデンマークデザイン」をコンセプトにコーディネートを手掛けた。レ・クリントの新作である「ラメラ ブラック」も登場し、デンマークと日本それぞれの要素が生み出すシナジー効果で、魅力的な空間を提案した。

7つのブランドが集結した「デンマーク・パビリオン」。3年越しの念願が叶っての出展となった

デンマーク・パビリオンは、デンマーク産業連盟とデンマーク大使館が共催した。「せっかく集まるのだから、別々の区画ではなく1つの住空間を表せるようなブースにしたい」という双方の要望に、レ・クリントをはじめ「BoConcept」、「LINIE DESIGN」、「NorviGroup Denmark」、「The Dybdahl Co.」、「UMAGE」 、「 GEORG JENSEN  DAMASK」の計7ブランドが賛同。以前よりデンマークブランドのスタイリングを手掛ける中林氏が、各ブランドの商品を配して空間づくりを担当した。

イベント初日に開かれたメディア向け説明会の冒頭、パビリオン出展は新型コロナウイルス禍以前からの希望だったことが明かされた。3年越しに実現した喜びが語られ、今回のコーディネートの趣旨や、ヨーロッパのデザイントレンドの現状についてスピーチが披露された。

植物や素焼きの骨董品などセンスの良い小物使いで、魅力的な空間を演出する

まず、中林氏が今回のスタイリングに取り入れた「日本の実家」について解説した。「北欧ではジャパンスタイルが流行しており、いわゆる“スタイリッシュで格好良い感じ”で日本らしさを取り入れるのは、なじみがあることだと思った。日本でやるのであれば、日本の実家にありそうな民芸品の木彫りの置物や塗り物の盆、障子枠やすだれなどをデンマークのデザインの中に入れたら、良いなじみ方をするのではと考えた」との意図が説明された。稲わらで編まれた蓑(みの)や竹製の籠といった日本ならではの生活用品が、モダンなデンマークブランドの家具や照明と共にレイアウトされ、他では見られないユニークな住空間をつくり上げた。

壁紙には和紙が使用された。「少しくすんだ発色が、近年デンマークでよく見られるフレッシュなトーンに合うと思った」(中林氏)。参加ブランドの1つであるThe Dybdahl Co.の浮世絵のようなテイストの絵画も、和紙の色とうまく融合した。随所に取り入れた日本の民芸品が特徴的な役割を果たし、デンマークサイドからは「7つのブランドが互いに補完し合って成り立っている。その中で一つ一つのアイテムが存在感を発揮し、空間を引き立てている」と好評を得た。

中林氏は「デンマークのブランド側にも空間づくりが楽しいと思ってもらえるように、日本とデンマークの要素をミックスした感じにしたかった」と振り返り、「実家(という存在)にポテンシャルがあることもわかった」と手応えを口にした。

パビリオン内には様々なシーンが用意された。「レ・クリント」でも人気の壁付けタイプ「ブラケット」も登場(画像の中央左)

続いて、デンマーク国内のデザインをブランディング・プロモーションする団体の担当者が、デンマークのデザイントレンドについて説明した。ヨーロッパでは、パリ、ミラノ、そしてデンマークと、直近で立て続けに大規模なデザインイベントが開催され、それぞれに大きなテーマとして「インクルーシブネス」が挙げられたという。これは、周囲の人との関わりにおける自身の在り方を意味し、自然と人がどう関わり合うかをも含む考え方。これを踏まえた上で、5つのトレンドを紹介した。

まず最も重視されているのが「サステナビリティ」で、デンマークも含めヨーロッパのマーケットでは消費者間でも非常に意識の高まりがみられる。「“エコフレンドリー”な素材でつくられているか」、「製造過程にサステナブルの観点が取り入れられているか」、「役目を終えた製品がアップサイクリングできるか」といった視点で、「製品寿命の長さ」が重んじられている。

2つ目は「ミニマリズムやシンプリシティ」。重要な要素を残して削ぎ落とし、最終的にエレガントさを表現するデザインのことを指す。

3つ目の「バイオフィリック」は、「人は自然環境に接することで、本能的に幸せを感じられる」という考え方を基に、「バイオ=生命・自然」と「フィリア=愛好・趣味」から生まれた造語。自然からのインスピレーションをどのようにデザインに取り込むかを主題に置く。具体的には、自然環境内にある形を家具の設計に落とし込んだり、自然光とのコンビネーションを考えてライティングへ生かしたりといった方法。「『人間と自然の関わり合いを高めて、生活空間をつくっていく』ことが、この言葉に象徴されている」と担当者は解説する。

4つ目が「ヒューマンセンターセントリックデザイン」で、使う人のニーズを最優先に、機能と美しさも成立させるデザインのこと。人を中心に位置付けるに当たり、生活の中で人間の感情がどのように存在するかを的確に捉えることも、QOL(クオリティ オブ ライフ)には欠かせない要素だと話す。

最後は「クラフトマンシップ」。機械による大量生産や、AIをはじめとした種々のテクノロジーが出現している背景から「今改めてクラフトマンシップが見直されており、その意識は消費者にも芽生えている」(担当者)と、注目度の高さに言及。「クラフトマンシップは日本とデンマーク双方(のものづくり)に共通する」と付け加えた。

繊細な折りが美しい大小の「ラメラ 」が、暖かな明かりを落とす

レ・クリントのラメラも、パビリオン正面の広いリビングスペースに吊るされた。ラメラ は、キノコの裏側のひだをモチーフにした無数の折りが特徴的なシリーズ。シェードの上下にある留め具が、シルバーとゴールドに加え、新たにブラックが登場した。

レ・クリントは今年創業80周年を迎えた。職人による高い折りの技術でバリエーション豊かな照明を生み続けるとともに、北欧の明かりの文化を伝える役割も担う。デンマークと日本それぞれの個性が混ざり合う空間づくりを通して、ブランド価値の向上につなげる。

(中林桂子)

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