2025年4月 全国百貨店売上高
免税売上げの反動減で苦戦、国内市場は改善
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・178店)の4月売上高は、4232億円余で前年比(店舗調整後)は4.5%減と3カ月連続のマイナスとなった。前年に高伸した免税売上げの反動影響に加え、円高傾向の加速により、免税売上高が2桁減と苦戦した。入店客数は1.0%減とわずかに前年に届かなかったが、食品物産展やGW前半のファミリー向け催事等が好調に推移した。国内市場も1.0%減ではあるものの、前月より減少率は1.0ポイント改善し、札幌、名古屋、大阪、神戸、四国の5地区でプラスとなった。
インバウンドは、購買客数が52.1万人(3.1%増)と4月として過去最高を記録したが、売上高は439億円(26.7%減)と2カ月連続のマイナスとなった。高額品等の一般物品の低調により、購買単価が減少するも、化粧品等の消耗品は引き続き好調に推移した。大阪・関西万博が開幕した4月13日以降は、メインのアジア圏だけでなく欧米や中東等からの来客も増加した。
地区別では、大都市は5.1%減となり、神戸(2.6%増)と名古屋(0.2%増)を除く8地区でマイナスだった。前年の免税売上高大幅増の反動減が影響した。地方は四国(0.4%増)を除く6地区がマイナスとなり、7カ月連続減。入店客数は前年と同水準だが、買上げ率の低下により購買客数減となった。
商品別では主要5品目のうち、食品(1.0%増)を除く4品目が前年割れとなった。衣料品(5.8%減)は不安定な天候から前半は苦戦したものの、後半の気温上昇に伴い、カットソーやカーディガン等、夏まで使える初夏物が稼働。身の回り品(14.1%減)は、ラグジュアリーブランドのバッグや靴がインバウンドや富裕層の慎重な購入姿勢から苦戦した。アクセサリーは好調だった。雑貨(0.7%減)は、化粧品(3.8%増)が一部価格改定前の駆込み需要等もあり、国内外ともに好調に推移。食品(1.0%増)は、価格高騰の影響が継続しているものの、菓子(1.6%増)が手土産需要等でプラス、その他食品が物産展等の好調もあり、3.6%増とプラスに転換した。食品全体が10カ月ぶりに前年実績を上回っている。