2024年05月04日

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阪神梅田本店、食品や花などの定期便を開始

「ナビゲーター」と呼ぶスタッフがセレクトするコースも用意し、客との接点の拡大につなげる。写真は阪神梅田本店2階「ソックスショップ」の「靴下カナコ」(左)と「植田」

阪神梅田本店は2日、食品や服飾雑貨、花などを届ける「阪神百貨店 定期便」を始めた。サブスクリプションに対する需要の増加に対応するとともに、「ナビゲーター」と呼ぶスタッフが選りすぐった商品を届けたり、「サトウ花店(はなみせ)」は1日1本の花を渡したり、一般的な定期便とは異なるコースも用意して、スタッフと客の接点の拡大や来店促進などにつなげる。コースは全30種類で、申し込みは専用のウェブサイトで受け付ける。

同店は長く頒布会を手掛け、好評を博してきたが、定期便に集約した。特に新型コロナウイルスの感染が拡大して以降は食品宅配やサブスクの利用者が増え、その取り込みを狙う戦いは激しいが、同店は新たな収益源としてだけでなく、「スタッフとお客様の接点、あるいはお客様の来店頻度を増やす」ために役立てる。

例えば「飾って楽しい、履いて嬉しいソックス定期便」(3850円)は、同店2階のソックスショップのナビゲーターである「靴下カナコ」と「植田」が厳選した靴下を毎月届けるが、「靴下は素材などで季節感が豊かで、お客様とナビゲーターの交流が増し、関係性が深まるのではないか」という狙いがある。靴下を皮切りに、108人のナビゲーターによるコースを充実させる方針だ。

客の来店促進を目指す定期便が、サトウ花店の「ロスフラワーから生まれ変わる『2nd FLOWER』」(1650円)とPink by Aoyama Flower Marketの「HAPPY ピンキーブーケ」(3300円)だ。前者は1日1本の花を、後者はブーケを1カ月に4回、それぞれ渡す。店頭に足を運んでもらい、買い回りを促す。

「サトウ花店」の定期便では、1日1本の花を受け取れる

そのほか、月替わりで冷凍餃子が届く「にっぽんのうまい餃子みっけ定期便」(5400円)、月替わりで話題の焼き菓子を楽しめる「“スイーツストリート”焼き菓子コース定期便」(3240円)、ワインのおつまみ研究家でソムリエでもある大橋みちこさんがワインとそれに合う料理のレシピをセレクトする「大橋みちこさんセレクト 料理によりそうワイン定期便」(3850円)などを合わせて、全30種類をラインナップ。準備中のコースもあるという。

同店は「ますます買い物上手になる人々にとって新しい楽しみになり得るため、かなり人気を集めるのではないか」と期待する。

(野間智朗)