2022年07月07日

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アラ商事、ネクタイを通じたSDGsに本腰

アラ商事が開いた、秋冬企画の展示会の様子。主力の「アールダム」を中心に、新商品がズラリと並んだ

アラ商事は、ネクタイを通じたSDGsに乗り出す。使用しなくなったネクタイを、スナップタイや名刺入れ、ミニポーチ、ワンマイルバッグにリメイクする新規事業を開始。まずは全国の百貨店に、ネクタイ売場でのイベントを提案する。愛着のあるネクタイを、違う形で長く使い続けられる方法として、新たな需要を掘り起こす。日本では「クールビズ」が定着し、6~8月にはネクタイ売場を縮小する百貨店が多く、メーカーは販売の機会が減るだけに、その嵩上げとしても役立てる。

使用しなくなったネクタイを、スナップタイや名刺入れ、ミニポーチ、ワンマイルバッグにリメイクする

ネクタイのリメイクを手掛ける理由を、奥平有臣営業本部付部長が説明する。「ネクタイのタンス在庫は30本というデータがある。しかし、4~5本を使い回す人が多く、いずれ擦り切れたり、汚れたりしていく。それを他のアイテムにリメイクすれば長く使え、SDGsにも適う」

リメイクの選択肢は2つある。1つはスナップタイで、ネクタイで擦り切れやすい首周りの部分を切って加工する。代金は1500円で、3週間ほどで手元に届く。スナップタイは軽くて涼しく、夏季の着用に最適だ。もう1つは名刺入れ、ミニポーチ、ワンマイルバッグで、代金は3000円を予定する。3週間ほどで受け取れる。どちらも当面はアラ商事が販売したネクタイを対象とするが、他社のネクタイも検討中だ。

リメイクの勝算はある。実は昨秋、ネクタイを名刺入れかミニポーチにリメイクするイベントを松屋銀座店で実施。受注は1週間で200件に上った。奥平氏は「ネクタイの工場は夏季が閑散期。そこを使うと効率的に対応できる。ネクタイに限らず、例えば服地から雑貨へのリメイクも可能で、異業種との商談にも繋がるのではないか」と期待する。

新規事業には意欲的だ。例えば、織物による世界の名画の再現および販売。グループ会社のアルファテックスが今年3月、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」にプロジェクトを公開すると、目標の5万円に対して約3.6倍の18万1300円が集まった。奥平氏は「多方面から反応があり、良い意味で想定外だった」と手応えを掴む。

一方で、屋台骨のネクタイの魅力化にも余念がない。オリジナルブランドの「Earldom(アールダム)」では、イージーオーダーをスタート。生地や大剣の幅(6cm、6.5cm、7cm、7.5cm、8cm、8.5cm、9cm)、全長(142cmか145cm)が選べ、約2週間で手元に届く。代金は1万円。店頭ではタブレット端末でコーディネートの例を示し、着用をイメージしやすくする方法も検討中。奥平氏は「夏季に百貨店のネクタイの売場が半減しても、代表的な商品を数本だけ置いてもらい、後はオーダーで対応すれば、売上げの減少を抑制できる」と腹案を明かす。

オリジナルブランドの「アールダム」では、イージーオーダーをスタート。生地や大剣の幅、全長が選べる

 

イージーオーダー以外では、引き続きイタリア・ミラノで開かれる国際的な織物や生地の見本市「ミラノ・ウニカ」の情報やネクタイの売れ筋の変化を、秋冬企画に反映。いわゆる「シャンブレー効果」を狙った商品がメインで、グリーン系を軸に、ネイビー系やワイン系を掛け合わせたグレイッシュなカラーリングが特徴だ。数年来、トレンドカラーを経糸に配した商品を揃えるが、客からは「珍しい」と好評。秋冬企画でも継続する。

「アールダム」の秋冬企画は、いわゆる「シャンブレー効果」を狙った商品がメイン。グリーン系を軸に、グレイッシュなカラーリングが特徴だ

 

同じくオリジナルブランドで、20~30代の支持が厚い「FOSCA(フォスカ)」は、ベーシックとトレンドの2軸で構成。ビッグパターン、ストライプとドットの組み合わせなど“パターン×パターン”がデザインのポイントだ。

20~30代の支持が厚い「FOSCA(フォスカ)」は、ベーシックとトレンドの2軸で構成する