2021年09月28日

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アラ商事、今秋冬企画でネックウェアを拡充 新たな“ビジカジ”を提案

今秋冬はスカーフなどのネックウェアに傾注する

アラ商事は今秋冬、オリジナルブランド「アールダム」で、マフラーやストール、ネッカチーフ、小ぶりなスカーフ「ティーニー」といったネックウェアを前年の約1.5倍の展開数に拡充する。昨年来のコロナ禍では、在宅勤務者やコワーキングスペースの需要が増え、ビジネススタイルでも着心地の良さやリラックス感などが求められるため、ネックウェアを使った“ビジカジ”を提案。購買意欲を喚起する。

アラ商事の今秋冬企画のテーマは「COZY STYLE~my best choice~」。「Relax」、「Chill」、「Mix」、「Borderless」をキーワードに、「我慢の世界」とされる従来のビジネスファッションから脱却し、着心地が良く、見た目にもリラックスしたコーディネートを提案する。

その軸はネックウェアだ。とりわけスカーフの啓蒙に力を注ぐ。これまでの素材はシルクがメインだったが、ウール混など秋冬向けを強化。ブランドでは初めてシルク&ウールプリントのネッカチーフも出し、独特の“マット感”で秋冬らしさを演出する。

品揃えを充実させるだけでなく、百貨店の協力を得てビジュアルプレゼンテーションスペースを使い、ネックウェアのフェアを積極化。奥平有臣戦略部課長は「まだまだこれからだが、反応は良く、今後に期待できる。女性からも『オシャレ』という声が届き、代理購買も見込める」と手応えを掴む。

また、「インスタグラム」をはじめとするSNSでは、ネックウェアの巻き方を動画で紹介する予定。形状ごとに巻き方を変えると“映える”ネックウェアの特性などを指南し、男性の関心を引き出す。

2005年に「クール・ビズ」が提唱されて以降、ネクタイの市場は縮小に転じ、コロナ禍にともなうテレワークの浸透で拍車がかかった。百貨店もネクタイだけを扱う売場から、ネックウェアやシャツ、雑貨などと組み合わせたライフスタイル型にシフトしつつある。アラ商事はネクタイ以外のネックウェアを増やして、そうした百貨店の売場づくりを支援する方針だ。

もちろん、ネクタイに手を抜くわけではない。イタリア・ミラノで開かれる国際的な織物や生地の見本市「ミラノ・ウニカ」を踏まえ、トレンドの色や柄、素材を採用。ネクタイを好む男性の自家需要を掘り起こす。

「アールダム」が打ち出すのは幅広ストライプなどの大ぶりな柄だ

アールダムが秋冬企画で打ち出すのは、ピッチの大きいチェックや幅の広いストライプなど大ぶりな柄だ。奥平氏は「英国調の流れは変わらず、ハウンドトゥース・チェックやグレンチェックの人気は根強いが、リラックス感が重視されつつあり、衣服でもオーバーサイズがトレンド。テレビを観ると、大ぶりな柄のネクタイを締める芸能人が多く、店頭でも動きが良い」と狙いを明かす。色はレディッシュブラウンを核に、クリームやモカなどでトレンド感、季節感を表現した。

一方で、トレンドの変化の兆しも見据える。奥平氏は「マイクロパターンが売れており、ストライプでも線が細かいパターンの組み合わせが人気。22年は“大”から“小”にトレンドが変わるかもしれない」と分析する。

アールダムはトレンドの移ろいを見逃さず、変化をいとわず、ネクタイやネックウェアの商戦で存在感を放つ。

「フォスカ」は“ネクタイ特化”

「フォスカ」はオーソドックスなネクタイで攻める

アールダムと同じオリジナルブランドの「フォスカ」は、逆に“ネクタイ特化”で攻める。フォスカを担当する桐澤朋希氏には「テレワークが中心で、たまに会社に行く人は、オーソドックスなネクタイを締めるのではないか」という仮説があるからだ。百貨店のネクタイ売場で動きが良い色、「鉄紺」や「グレイッシュピンク」をメインに、中心顧客である20代~30代の自家需要を掘り起こす。

今春夏に始めたネクタイとポケットチーフのセット

今年の春夏企画で投入し、好評を博すネクタイとポケットチーフのセットも継続。5000円という割安感が支持された。桐澤氏は「出社する機会が減り、ポケットチーフにチャレンジする人が現れてきた。テレビ会議でチーフだけ挿す人もいる」と、需要が増加した理由を分析する。ポケットチーフは特に“華やかさ”を演出し、セットの拡販を狙う。

フォスカは5000円と7000円の価格帯で構成。ブランドの売上げは順調で、7000円では再生糸を使ったり、エコバッグとセットにしたりするなど“エコ”を前面に出したウォッシャブルタイが人気だ。