ヤマダ、LABI池袋本店を全面刷新 ヨドバシ進出に備え
11日に行った発表会の様子(左からヤマダデンキLABI池袋本店の宮崎清一店長、ヤマダHDの山田昇会長、ヤマダHDの上野善紀社長、ヤマダデンキの佐野財丈社長)
ヤマダデンキはLABI池袋本店を全面改装し、12日にオープンする。地下2階~地上7階の9フロア構成で、売場面積は約5000坪、品揃えは従来の1.5倍に拡大。4月には向かいにある2号館を大塚家具の「IDC OTSUKA 池袋ショールーム」に改装しており、2館体制で「住」カテゴリーへの提案を強化する。
改装の背景には、ヨドバシカメラの西武池袋本店への出店がある。池袋駅前エリアにはビックカメラの本店もあり、家電の競争が白熱することは間違いない。ただ、ヤマダホールディングスの山田昇会長は「池袋を、日本を代表する家電の街にしたい。お互いに魅力のある店をつくればそうなっていく」と、‟健全な競争”を強調する。
一方で、ヤマダホールディングスは中期経営計画で、家電をコアに家具・インテリアやリフォームなど「くらしまるごと」の提案力を強化する「くらしまるごと戦略」を推進しており、その一環でもある。家電や家具、リフォーム、おもちゃ、生活雑貨などを揃える店舗業態「ライフセレクト」は現在約40店を出しており、LABI池袋本店はその集大成という位置付けだ。
4階には風呂やキッチンなどリフォームのコーナーもある
各階に体験・体感コーナーを新設
LABI池袋本店は三世代をターゲットに定め、国内外の家電やサービス、おもちゃ、雑貨、リフォームなど幅広い品揃えを実現。「豊かなくらしを提案する体験・体感型店舗」を目指し、体験コーナーや実演ブース、ライブコマース専用スタジオなども新設した。屋外ビジョンも新設し、ライブ配信やイベント情報を通行客に発信する。
IDC OTSUKA 池袋ショールームとは、「引っ越しやリフォームの相談など、お客様のニーズがありそうな時に互いにご案内する」(担当者)ほか、共通の「ヤマダポイント」によって相互来店を促進する。
地上1階はスマートフォンやスマホアクセサリーのフロアで、リユーススマホも取り扱う。ライブスタジオ「ヤマダライブスタジオ」は外に面しており、通行客にも視覚的にアピールする。これまでは高崎の本社で2週間に1回程度ライブコマースを実施していたが、今後はほぼ毎日開催し、ネット上の情報発信に力を入れていく。
1階に新設したライブコマース専用スタジオ
6階のガンダムコーナー
2階はパソコン、デジカメ、周辺機器のフロアで、3階はテレビやレコーダー、オーディオ、イヤホンなどのフロア。4階は冷蔵庫や洗濯機、照明器具などを扱い、リユース冷蔵庫、リユース洗濯機も販売し、風呂やキッチンなどのリフォームのコーナーも擁する。
5階はエアコンや季節家電、クリーナー、調理家電などを扱い、実演コーナー「キッチンスタジアム」を新設。キッチンスタジアムでは、例えば高級炊飯器で炊いたご飯の試食など、使ってみないと分からない部分の体験を提供する。6階はおもちゃやゲームのフロアで、ガンプラコーナーやカプセルトイコーナー、任天堂が監修した特設コーナー、おもちゃの体験ブースもある。7階はレストランフロアで、飲食店が入る。
韓国コスメやキャラクターグッズなど若者向けの商品を集めた地下1階の「ワイラボ」
理美容家電を試せる地下1階の「パウダールーム」
地下1階は理美容家電、化粧品、雑貨、時計のフロアで、最新の理美容家電を試せる「パウダールーム」を用意。人気の韓国コスメやキャラクターグッズなど、Z世代に人気のアイテムを備えた売場「ワイラボ」も展開する。地下2階では健康器具やマッサージ器、フィットネス用品、医薬品などを取り扱う。
改装工事は今年5月から段階的に実施し、すでに多くのフロアはオープンしている。新設したコーナーを中心に多数の客が利用し、特にZ世代向けの「ワイラボ」や6階は人気を博しているという。
山田会長は新店舗について「非常に満足。特に体験コーナーを各階に置いて、提案できるようになったのが良い」と述べる。「ライフセレクトとはこれか、と認知してもらえる店舗ができた。お客様からの反応も良い」と期待感を覗かせた。
(都築いづみ)