2025年05月12日

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2025年3月 東京・大阪地区百貨店売上高

インバウンドの低調が響き、2カ月連続減

日本百貨店協会の調査によれば、3月の東京地区百貨店(12社・22店)は、売上高は1467億円余、前年比(店舗調整後)は4.2%減と2カ月連続でマイナスとなった。降雪や気温の乱高下など不安定な天候要因による客数減(10.6%減)に加えて、免税売上げの低調が響いた。

3カ月移動平均値は、直近の1~3月が0.4%減、12~2月が1.7%増、11~1月が3.1%増、10~12月が1.1%増、9~11月が0.5%増、8~10月が1.4%増だった。

商品別では、家庭用品(14.5%増)を除いた4品目でマイナスとなった。衣料品(4.6%減)は2カ月連続のマイナスで、前半は気温低下の影響で春物商品の動きが鈍かったが、中旬以降の気温の上昇に伴い、婦人服・洋品(3.2%減)のカットソーやブラウス、ワンピースなどが動いた。ギフト需要からハンカチやスカーフなども好調だった。紳士服・洋品(6.0%減)では、ビジネス用途のメンズウエアのカジュアル化が進み、単品買いが目立った。

身の回り品(9.6%減)は、ラグジュアリーブランドのバッグや財布が免税売上げの低調から苦戦した。アクセサリーは、卒入学やブライダルなどのオケージョン需要や、限定商品を展開したブランドもあったことで好調だった。

雑貨(2.8%減)は、5カ月ぶりにマイナスに転じた。化粧品(0.5%増)は、4月以降の価格改定前の駆け込み需要もあり好調だった。国内・免税共にスキンケアやメイクアップ商品などが幅広く稼働した。美術・宝飾・貴金属(2.7%減)は、売場改装などの影響で2カ月連続のマイナスとなったが、時計や金製品は動きがみられた。

家庭用品は2カ月連続のプラスで、家具(11.6%増)、家電(45.9%増)が高い伸びを示した。

食料品(4.4%減)は、引き続き価格高騰の影響や入店客数減によって9カ月連続でマイナスとなった。菓子(5.6%減)は、ホワイトデーや送別ギフトの需要もあり好調だった。下旬の花見需要では、弁当、惣菜、寿司などが伸長したほか、月を通して物産展の食品催事が盛況だった。