2024年11月07日

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<ストレポ9月号掲載>新規・大型商業施設の潮流 24年下期(7~12月)開業・予定

来年に万博開催を控える、大阪エリアで新規開業が盛んになっている(画像はイメージ)

今年の秋冬シーズンも全国の主要都市で再開発に伴う大型商業施設が続々と誕生する。日本ショッピングセンター(SC)協会の調査によると、下期(7~12月)に開業予定のSCは18施設を数える。店舗面積3万㎡を超える大型商業施設は少ないものの、オフィス、ホテル、マンション、公共施設、広場、文化施設・アリーナなどの「まち」機能を兼ね備えた複合施設の開業も相次ぐ。全国各地の主要都市ではコロナ禍でも新しい「まち」が続々と出店しており、生き残りをかけたサバイバル戦が熾烈化している。


※この記事は、月刊ストアーズレポート2024年9月号掲載の特集「新規・大型商業施設の潮流~24年下期(7~12月)開業・予定~」(全17ページ)の一部を抜粋・編集して紹介します。購読される方は、こちらからご注文ください。(その他9月号の内容はこちらからご確認いただけます)


SCの新規開業が小型化、平均面積約6800㎡に

日本SC協会の調査によると、2023年末の総SC数は3092SC。前年末より41減少した。18年の3220SCをピークに5年連続で減少している。減少数は5年間で最も多い。23年は新規に34SCが開業した一方で、27SCが閉店。加えて新たにSC基準を満たした商業施設が51カ所確認された。しかしながらテナントの撤退などで基準に満たない施設が99カ所を数えた。これが41SC減の主因で、それだけ大型商業施設の生き残りをかけたサバイバル戦が熾烈化している証しだ。

今年の上期(1~6月)に開業したSCは、17SC(日本SC協会調査)。前年同時期と比べ2カ所少ないものの、コロナ禍の21年(12SC)と比べると多い。大きく減少したのは平均店舗面積で、小型化が顕著だ。自ずと平均テナント数も減少している。17SCのうち約9割の15SCが店舗面積1万㎡未満だった。残り2SCも1万超程度の規模で、3万㎡以上の開業がなかった。平均店舗面積は6746㎡で、前年同時期の1万7102㎡から1万㎡超も減少しており、前年比は60%減。平均テナント数は31店舗で、前年より21店舗も減少しており、前年より4割も減った。

下期(7~12月)は18SCが開業予定だが、そのうち3万㎡を超えるのは「ゆめが丘ソラトス」(約4万2700㎡)、「そよら成田ニュータウン」(約3万5730㎡)、「エミテラス所沢」(約4万3000㎡)、「三井アウトレットパークマリンピア神戸」(約3万㎡)の4施設。加えて「渋谷サクラステージ」(約1万5200㎡)と「キッテ大阪」(約1万6000㎡)は1万㎡半ばの規模だ。これら以外の12施設は1万㎡未満で、半数が5000㎡台以下となり、下期も小型化傾向が続いている。

また、新規開業とはいえ、デベロッパーの変更や全館改装による業態転換、建て替えの案件が少なくない。それだけ新たな大型商業施設開発の余地が少なくなっている。さらに自ずと競合エリアの既存施設は全館改装や増床で対抗しており、テナントの誘致競合も熾烈化の一途だ。

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