2024年05月03日

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佐賀玉屋、京都の不動産会社が再生を支援

1806年に荒物屋として創業し、1933年に百貨店「佐賀玉屋」を開業した

佐賀玉屋は11日、京都の不動産会社「さくら」をスポンサーとする再生計画が成立したと発表した。同店本館は耐震化工事が必要な状況で、費用の捻出が課題となっていた。2024年1月末に佐賀玉屋が自社株式を全て取得した上で消却し、さくらが100%出資する。佐賀玉屋の屋号は残し、約140人の従業員の雇用も継続。田中丸雅夫社長は退任する。

佐賀玉屋は佐賀県唯一の百貨店。1990年代は160億円超の売上高があったが、近年は競合する大型商業施設、小売店舗の増加などによって売上げは減少傾向にあった。同社は百貨店事業を継続しながら本館の建て替えを行うためのスポンサー支援を探し、複数の候補の中からさくらとのスポンサー契約締結に至った。

さくらは不動産事業に加え、飲食業、宿泊業なども手掛ける。さくらと締結した理由について、佐賀玉屋は「従業員の雇用や友の会、商品券などのサービスを最も維持できるため」と話す。

さくらの支援によって来春以降に本館を建て替え、工事中は南館に売場を集約。その後、南館もリニューアルを行う。リニューアルの内容などは未定で、「さくらやお取引先の意向も含め決めていく」(佐賀玉屋)。来年2月にさくらと共同で記者会見を行う。