2024年10月12日

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東京ソワール、若年層向けラインで“フォーマルの可能性”拡大

東京ソワールは「Nature 美しく生きる人。」をテーマに、来春の新作を発表。オリジナルブランド「SOIR PERLE」から「Fleur Noir」が登場する

東京ソワールは、オリジナルブランド「SOIR PERLE(ソワール ペルル)」の新ライン「Fleur Noir(フルール ノワール)」を来春にスタートする。ターゲットは30代後半~40代後半に設定。「ブラックフォーマルをこれまでとは違ったシーンでも着用して欲しい」との想いから、エレガンスさとフェミニンさを打ち出したデザインのウエアを取り揃える。近年多様化する冠婚葬祭をはじめとするセレモニーの在り方を追い風に、「フォーマルの持つ可能性」を広げる新たなブラックフォーマルを提案する。

新型コロナウイルス禍によるセレモニーなどの自粛期間を経たこともあり、デザインや着心地といったウエア自体への要望や、形式にとらわれない装いの選択など、フォーマルへの個々の意識は変化してきている。同社デジタル戦略部長兼マーケティング室長兼レンタル部長の島村聡氏(以下、島村氏)は、「(フォーマルの場は)ルールやマナーにしばられた窮屈なものではなく、純粋に時間や場所を楽しんでもらいたい。そこへの装いは重要なファクター」と語る。長くフォーマル業界をリードしてきた同社だからこそ、「お客様が心地良い時間を過ごすための受け皿を構築しておく必要がある」(島村氏)。

トレンドのショート丈に、ラウンド型の襟がフェミニンさを演出。花のジャカード織が華やかさをプラスする

フルール ノワールのコンセプトは「THE LADYLIKE」。ソワール ペルルの特長である着心地と機能性も備えながら、“大人かわいい”エレガンスさを好む多くの顧客の声をデザインに反映させた。ブラックフォーマルのニーズは50代からが多いのが現状だが、「それでは可能性が狭まってしまう」(島村氏)。40代前後の年齢層向けに、冠婚葬祭に限らず日常のちょっとしたシーンでも着られるような商品設計で、顧客の裾野を広げる狙いだ。

すっきりとしたラインが美しいワンピースもラインナップ。コサージュなどで上品さを添える

商品はジャケットとワンピースのアンサンブルやワンピースなど、全部で8SKUを揃える。価格はソワールペルルより上に設定し7万7000~12万6500円、サイズは7~13号を用意する。アンサンブルは、高級感のあるグログランフクレの生地で、ポイントに花柄のパネルジャカートを施したタイプや、トリアセテートとポリエステルの平二重織りの生地で、ジャケットの前端とワンピースの袖口をレース使いにしたタイプ、光沢のあるダブルジョーゼット生地で、スタイリッシュなロングジャケットと合わせるタイプなどが登場。

ワンピースは、上半身はフィットさせスカート部分はフレアに仕立てた上品なシルエットのものや、全体的にゆったりとしたフォルムで、ボリュームスリーブの袖口にレースをあしらったものなど、フォルムやディテールにこだわり、バリエーションに幅を持たせた。

今春実施した企画「ハレの日に着る黒。」。晴れやかなシーンでのブラックフォーマルを望む声は多いという

東京ソワールは来年、創業55周年を迎える。節目を祝うキャンペーンも予定し、来春には第1弾として「ハレの日に着る黒。」と題した、セレモニーシーンで着るブラックフォーマルを提案する。「卒業式などのセレモニーでもブラックフォーマルを着たい」という顧客の要望が起点となった企画で、今春に実施したところ多くの反響を得た。島村氏は「自社の小売り業態はまだ発展途上だが、直営店ではダイレクトに顧客のニーズが得られる」と、顧客の声の重要性を強く認識する。

時代とともに変化する生活様式や価値観、それに伴うパーソナルな希望や想いにきめ細かく応えてきた同社。今後も「一人一人の“大切な日”」のために、ブラックフォーマルの可能性を追求していく。

(中林桂子)