2024年10月13日

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4社全て前年比越え、脱マスクで化粧品需要高まる

大手百貨店4社の5月売上高は、全て前年比でプラスとなった。伸び率が高い順は阪急阪神百貨店が14.5%増、三越伊勢丹が12.5%増、大丸松坂屋百貨店が11.3%増、高島屋が5.9%増。新型コロナウイルスが「5類」に移行されて外出需要が本格的に動き、商品別では化粧品の伸びが目立った。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が16.7%増、地域事業会社の合計が5.5%増、全体で12.5%増。引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、宝飾、ハンドバッグ、財布が特に売上げを伸ばした。外出需要が高まり、ベースメイクや口紅など化粧品の動きも良かった。

商品別では、サービス(49.6%減)、子供服・洋品(27.9%減)、その他(2.4%減)、呉服寝具他(1.6%減)、家庭用品(1.3%減)を除きプラスだった。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が13.3%増、法人・本社等が18.5%減、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が11.3%増と5カ月連続で2桁増のプラスとなった。前年比では、京都店(10.9%増)、梅田店(19.3%増)、東京店(31.0%増)、心斎橋店(33.2%増)が2桁増。入店客数は百貨店事業合計で18.2%増だった。

商品別では家庭用品(2.1%減)、その他家庭用品(4.9%減)、紳士服・洋品(5.8%減)を除いて全てプラス。中でも化粧品(29.7%増)が旅行需要やマスク着用の緩和から活況を呈した。婦人服・洋品は引き続きジャケットやニットの売れ行きが良く、ラグジュアリーブランドも好調を持続。紳士服・洋品は品番移管の影響でマイナスになったがスーツやパンツが堅調に推移し、アウトドア用品も動いた。身の回り品は国内旅行の需要増加やインバウンドで旅行用品が大きく伸長。食料品は土産需要などで洋菓子が好調だった。食堂・喫茶は人の流れが回復してより大きく売上げを伸ばした。

高島屋の4.6%増には法人事業(2.9%減)やクロスメディア事業(31.9%減)が含まれており、それらを除くと4.2%増。店舗別では、泉北店(1.3%減)、玉川店(2.6%減)、大宮店(12.9%減)を除いた店舗がプラス。中でも、新宿店(13.8%増)、大阪店(18.7%増)は2桁増だった。新宿店は20カ月連続で2桁増を継続している。新型コロナウイルスが5類に移行した影響から外出機会が増加し、夏物衣料などの売れ行きは好調。免税売上高は254.8%増とプラスを継続し、コロナ禍前の19年比では20.4%減。入店客数は1.0%減だった。

商品別ではメインカテゴリーは食料品(5.5%減)を除いて全てプラス。衣料品(11.8%増)、その他(16.7%増)は2桁増だった。衣料品では婦人服・洋品(13.7%増)と紳士服・洋品(14.8%増)、家庭用品では家電(34.7%増)、雑貨では化粧品(18.6%増)が特に伸びた。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が13.3%増、阪神梅田本店が17.1%増、支店の合計が15.6%増、全店合計が14.5%増だった。支店では宝塚阪急(0.8%減)、阪神・にしのみや(3.7%減)を除き全てプラス。伸び率が高い順は神戸阪急(32.6%増)、博多阪急(21.8%増)、阪急メンズ東京(19.1%増)だった。入店客数は全店計で13.2%増。

商品別は全てのカテゴリーがプラス。その他衣料(7.8%増)、雑貨(8.1%増)を除くカテゴリーは2桁増だった。中でもその他(32.6%)が大きく伸びた。

(北田幹太)