2024年05月13日

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大丸松坂屋百貨店、バレンタインデーは「女性の活躍」にフォーカス

大丸松坂屋百貨店がバレンタインデー商戦に大々的に発表会を開いたのは初めて

大丸松坂屋百貨店は5日、GOBLIN.表参道HALL店(東京都渋谷区)で「大丸・松坂屋のバレンタイン2023 お披露目会」を開き、バレンタインデー商戦に向けたチョコレートなどを報道陣に発表した。「COMME PARIS(コムパリ)」、「カバの気持ち」、「BLOCK BLOCK TOKYO(ブロックブロックトーキョー)」にフォーカス。商品の陳列や演出などはSylph JAPAN(シルフジャパン)が担当した。COMME PARISとカバの気持ちは女性が代表取締役、BLOCK BLOCK TOKYOは製造のスタッフが全て女性、シルフジャパンは女性のテーブルコーディネーターチームで、女性の活躍促進、ひいてはSDGsを前面に出し、独自性を強める。大丸松坂屋百貨店はバレンタインデー商戦で、前年比14.6%増、コロナ禍前の20年比で0.9%増の売上げを目指す。

「BLOCK BLOCK TOKYO」は製造するスタッフが全て女性。メインのアイテムはバスクチーズケーキで、小さく四角く焼き上げられるようになるまで1年を要したという

まず、矢島嘉則本社営業本部MDコンテンツ開発第2部ディベロッパー&エディターフーズ(和洋酒)担当が数年来のバレンタインデー商戦の傾向や今年の戦略を説明。傾向としては、売上げが減少基調だった海外から輸入するチョコレートの人気が復活しているほか、チョコレート以外のスイーツの売上げが18年から22年にかけて約3倍に膨らんだという。

今年は「YVAN VALENTIN(イヴァン・ヴァレンティン)」や「SNOWS(スノー)」、「Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)」などでニーズの受け皿を整備するとともに、「ストーリー性」(矢島氏)を重要視。中でも「ママが子供に持たせたいもの、食べさせたいもの」をコンセプトにカヌレなどを揃えるCOMME PARIS、「低糖質でもおいしいスイーツを作りたい」という想いが込められたバターサンドなどを扱うカバの気持ち、BLOCK BLOCK TOKYOを打ち出す。

お披露目会では、COMME PARISの橋本まり代表取締役、カバの気持ちの一ノ瀬ほなみ代表取締役のトークショーを実施。大丸松坂屋百貨店で販売する商品のポイントについて、橋本さんは「試行錯誤を重ねた5種類のプチカヌレを、シンプルでナチュラルなオリジナルの缶に詰め合わせた。缶の色は『フラワーホワイト』と呼び、何時間もかけて職人につくってもらった」、一ノ瀬さんは「宝石箱をテーマに、目でも楽しめて低糖質なスイーツ」とアピールした。

「COMME PARIS」の橋本さん。コンビニで子供に菓子を買おうとした時、添加物の多さに驚き、安心して食べさせられる菓子をつくりたいと決意したという

また、ファンや購入を検討する人々らに対するメッセージとして、橋本さんは「大切な人と過ごす時間に寄り添うブランド。(商品を通じて)少しでも気持ちに寄り添えるようにしたい。オススメの食べ方としては、トースターや電子レンジで温めてほしい。ぜひ一工夫を」と、一ノ瀬さんは「自分へのご褒美、大切な人へのプレゼントとして、低糖質のスイーツ(のおいしさ)に驚いてほしい」と語った。

「カバの気持ち」の一ノ瀬さん。摂食障害で通院した後、ダイエットを志して低糖質スイーツに出会ったが、心からおいしいと思えるものがなく、一念発起して40人ほどのパティシエと話し、レシピを組み立てたという

COMME PARIS、カバの気持ち、BLOCK BLOCK TOKYOを取り上げた理由を、矢島氏が明かす。「(ここ数年は)スイーツを特集してきたが、話題性や目新しさの発掘が大事。2年前にカヌレを入れたいと思い、COMME PARISを訪れた際、パティシエが生き生きと働いており、雰囲気が良かった。カバの気持ちはバターサンドを探していた時に、ウェブサイトを見て電話し、サンプルを送ってもらったが、直筆のメッセージが添えられており、人柄が窺えた。糖質制限中で、1週間我慢して1粒のチョコレートしか食べられないような人もいる。そういう人でも食べられるスイーツを提供したかった。BLOCK BLOCK TOKYOは子育て中の女性から70代の女性までが働いており、『サステナブル』やSDGsに適う」

大丸松坂屋百貨店はインターネット通販サイト「大丸松坂屋百貨店オンラインストア」で6日~2月8日の午前10時、店舗では1月中旬から2月14日にかけて(地域によって異なる)、チョコレートやスイーツなどを販売する。

(野間智朗)