2024年12月15日

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岡島、来年3月に移転・再開業

岡島 

岡島が移転する、複合施設「ココリ」(岡島が入居後のイメージ)

岡島は、現在の店舗での営業を来年2月で終了し、同3月に近隣の複合施設「ココリ」に移転・再開業する。売場は地下1階~地上2階に構え、食品や化粧品、衣料品、雑貨、家庭用品などを扱う。面積は約3万2000㎡から約4500㎡に縮むが、催事場や友の会を維持し、日本百貨店協会が発行する商品券も使用できるなど、百貨店として継続。初年度の売上高は、2021年度(21年3月~22年2月)の約75億円の約6割を目指す。現在の店舗はタカラレーベンに売却。タカラレーベンは建物を解体し、商業施設やマンションなどからなる28階の複合ビルを開発し、2028年7月の竣工を予定する。岡島は20年度、21年度と最終黒字を確保したが、10年以上前から新しい店づくりを検討していた。

創業180周年の節目に誕生する新店舗では「山梨発となる地方百貨店の新たな事業モデルの実現を目指す」(岡島)。「ファッション」、「プロモーション」、「コラボレーション」を三本柱に、「お客様の求める上質ファッションを常に追求し、毎週足を運びたくなるプロモーションを仕掛け、地元連携企画を拡大していく」(同)という。

地下1階は「上質な日常を提供する食のフロア」で、マルシェのような空間を形成。県内初の「アンリシャルパンティエ」や「明治屋ストアー」をはじめ、「わたなべ」、「パンパティ」、「RF1」、「とんかつ和幸」、「土井志ば漬け本舗」、「加島屋」などからなる。

 

地下1階のイメージ。マルシェのような空間で食品を展開する

地上1階は「上質ファッションのフロア」で、化粧品と雑貨で構成。強みである化粧品には「RMK」を加え、雑貨は「コールハーン」、「ラルコバレーノ」、「キプリス」、「フェアファックス」などを揃える。

地上1階のイメージ。化粧品や雑貨で構成する

2階は「新しいライフスタイルのフロア」で、家庭用品や衣料品を取り揃え、催事場を設ける。家庭用品はデイリーからギフトまで対応。衣料品は「ポロラルフローレン」をはじめ人気のブランドを集積する。催事場では物産展、中元および歳暮のギフトや常設では扱えない商品の販売などを行う。

2階のイメージ。家庭用品や衣料品、催事場などからなる

各階にはプロモーションスペースを用意。シーズンや歳時記に合わせ、様々なイベントを手掛け、地域との連携にも役立てる。

各階に入るブランドは多くが交渉中で、9月上旬を目途に店頭やウェブサイトで発表する。有期雇用を含めた約270人の従業員の処遇は検討中という。店舗も人員も大きく変化するが、岡島は「(客や山梨中央銀行、甲府商工会議所、甲府市、日本百貨店協会らから)応援してもらいながら、前進していく」と力を込めた。

岡島が入るココリは、中心市街地の再開発の一環として10年に竣工。地下1階~地上20階で、商業施設やマンションなどからなる。しかし、当初からテナントの誘致に苦慮。イオンモールやサンリオの支援も得たが、テナントの撤退が相次ぎ、その役割を果たせずにいた。県下唯一の百貨店である岡島の力で“再起”を図る。

(野間智朗)