2022年05月19日

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勢い続く大規模再開発-横浜編

よこはまみなとみらい21街区を歩くとよく建設中のビルをみかける

「みなとみらい21」で毎年のように大型ビルが竣工している。すでに街づくりが始まってから街区には美術館から大型商業施設、企業の本社ビル・研究開発拠点、ホテルやオフィス、店舗などからなる大型複合ビル、大型音楽アリーナを搭載したビル、MICE施設、高層住宅まで立ち並び大きな街が形成されている。一般社団法人横浜みなとみらいによると、2020年のみなとみらい21への来街者数はコロナの影響で前年より約2300万人も減り、約6040万人にとどまったが、事業所数は約1820社で就業者数は前年より約5000人増えて約11万7000人となり過去最多となっている。

東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて全国規模でホテルなどの新ビルの開設で盛り上がった2020年前後はみなとみらい21でもビルの竣工が多かった。20年には47街区にオフィス・ホテル・ライブハウス型ホール・店舗からなる複合ビル「KTビル」(地上15階・地下1階、延床面積約3万7000㎡)、54街区には上層部にソニーシティみなとみらい、低層部に店舗や保育園が入る大規模賃貸オフィスビル「横浜グランゲート」(地上19階、同約10万1000㎡)、38街区にはぴあが開設した、収容客数1万人規模の大型コンサートアリーナ「ぴあアリーナMM」(地上4階・地下1階、同約2万3000㎡)、20街区にはパシフィコ横浜に隣接して開業した国内最大規模となる大型多目的ホール(6300㎡)と大中小42の会議室をもつMICE施設「パシフィコ横浜ノース(横浜みなとみらい国際コンベンションセンター)」(地上6階・地下1階、同約46万300㎡)、同じ20街区にリゾートトラストの会員制リゾートホテル「横浜ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート」/一般ラグジュアリーホテル「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」(地上14階・地下1階、同約4万8100㎡)、47街区に「村田製作所みなとみらいイノベーションセンター」(地上18階・地下2階、同約6万5300㎡)が完成している。

ロープウエイ「YOKOHAMA AIR CABIN」

21年には43街区に約5000人の学生が利用する「神奈川大学みなとみらいキャンパス」(地上21階・地下1階、同約5万600㎡)、58街区の「横濱ゲートタワー」(地上21階・地下1階、同約8万3815㎡)は上層部にオフィス、低層部に店舗、保育所、カンファレンス・シェアオフィス、プラネタリウムを備えた複合オフィスビルで、21年9月に竣工、ビル全体のグランドオープンは22年3月の予定。55ー1街区に完成した「LG横浜イノベーションセンター」(地上16階・地下2階、同約3万5900㎡)はLGグループの研究開発拠点となるビル。ビルの竣工以外の21年のトピックスは桜木町駅前から運河パークまでを結ぶロープウエイ「YOKOHAMA AIR CABIN」(全長約630m)が開業したこと。

これに加え20年、21年には北仲通地区に大型施設の開業があった。その一つが関内駅前から馬車道駅に移転新築した「横浜新市庁舎」(20年6月供用開始)。地上32階・地下2階、高さ155mの超高層ビルで、低層部には商業施設「ラクシス フロント」がある。二つ目は超高層複合型の「横浜北仲ノット」だ。地上58階・地下1階、高さ約200mの同ビルは横浜市最大規模・再高層のマンション「ザ・タワー横浜北仲」(総戸数1174戸)とサービス付長期・短期滞在宿泊施設「オークウッドスイーツ横浜」と商業&文化施設の「北仲ブリック&ホワイト」で構成されている。ちなみに19年には北仲通エリアに35階建て、高さ135mの「アパホテル&リゾート横浜ベイタワー」(地上35階、2311室)が開業している。その他、20年6月にJR桜木町駅に隣接してホテルメッツとシァル桜木町アネックスからなる「JR桜木町ビル」がオープンしている。

みなとみらい21には22年以降も大型ビルの進出が計画されている。22年はいちょう通りを挟んでぴあアリーナの隣に建設している「(仮称)みなとみらい44街区計画」がある。同計画では地上23階、高さ約100mのビル(延床面積約6万5800㎡)が建設され、ウェスティンホテル横浜などが入る複合ビルが間もなく完成する。23年に竣工が計画されているのはぴあアリーナMMの向かえに建設中の「(仮称)みなとみらい21中央地区37街区開発計画」、いわゆるMM37タワーである。他にも中央地区60・61街区に「Kアリーナプロジェクト」、新港地区の横浜赤レンガ倉庫に近い9街区には国の15官署が集約される「(仮称)横浜地方合同庁舎」(地上7階、同約4万8235㎡)、24年には53街区にオフィス・店舗・オープンイノベーションスペース・ホテルなどを用途とする「(仮称)みなとみらい21中央地区53街区開発計画」。26年には中央地区のKアリーナプロジェクトに隣接した海側の62街区でホテル&ホテルコンドミニアム・水族館・商施設等からなる複合施設計画「(仮称)HARBOR EDGE PROJECT」、52街区でも複合施設が計画されている。

みなとみらい21エリア以外の周辺でも大型開発事業がある。その一つが馬車道駅周辺にあたる北仲通北B-1地区(現日新万国橋駐車場の敷地面積約1万2300㎡)の大型複合開発事業。日新・東急不動産・京浜急行電鉄・第一生命保険の4社が同プロジェクトを進め、27年の竣工に向けて共同住宅・オフィス・商業・駐車場などを用途にしたビルを建てる計画。二つ目が関内の「横浜市庁舎跡地活用」。同活用事業については再開発事業者に三井不動産を代表とするグループが決定した。活用事業の内容は、現在の行政棟は保存活用してホテル(星野リゾートによるレガシーホテル)と商業施設に転換。議会棟は解体され地上30階・地下1階、高さ約160mのタワー棟が建設され、大学・オフィス・エディテイメント施設・ライブビューイングアリーナなどで構成される。同市庁舎跡地の隣接地でも再開発が動き出す。それが三菱地所を代表としてケン・コーポレーション、スターツコーポレーション、東急不動産など5社が事業協力者として進めるもので、地上31階、高さ150m、延床面積約8万5000㎡の高層ビルが建てられ、オフィスや最高級賃貸住宅などが入る予定。

建設中の「ミュージックテラス」、ここに世界最大級の音楽アリーナが誕生する以上のようにみなとみらい21エリアを中心に高層ビルが次々に出現しているが、その施設内容の特徴は大型音楽アリーナや外資系の高級ホテルの開設が目立っている。オフィスやホテル、住居などで構成される高層複合ビルにプラネタリウムや水族館などのエンタテインメント施設の誘致もみられる。音楽アリーナについては20年3月にオープンした「KTビル」はコーエーテクモゲームス本社・横浜東急REIホテル・ホール(KT Zepp Yokohama)・店舗からなり、ライブハウス型ホールの「KT Zepp Yokohama」の収容人員がスタンディング時で2146人、椅子席時で1251人。同年7月に開業したぴあが手掛ける「ぴあアリーナMM」はステージと客席の距離が近いことが特徴の音楽コンサートに最適化したアリーナで、収容人数は最大で12141人。これに加え、23年秋に開業を目指すケン・コーポレーションの「Kアリーナ横浜」は2万人を収容できる世界最大級の音楽アリーナとなる。

ホテルの開業も続いている。19年10月にオープンした「新港ふ頭客船ターミナル」(横浜ハンマーヘッド)には「インターコンチネンタル横浜Pier8」(客室数173室)、20年3月に開業した47街区の「KTビル」には「横浜東急REIホテル」(同234室)、20年9月に20街区に開業したのはリゾートトラストの「横浜ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート」(同138室)と「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」(同146室)、今年2月に竣工が予定されている「(仮称)みなとみらい44街区計画」で完成するビルには「ウェスティンホテル横浜」(同373室)が開業する。24年3月完成予定の「みなとみらい21中央地区53街区」のWEST棟の高層部には京急グループの宿泊特化型ホテル上位グレードの「京急EXホテル」(150室)が進出。23年秋の開業に向けて大規模複合開発が進む「Kアリーナプロジェクト」には地上25階・地下1階のホテル棟がたち、「ヒルトン横浜」(同約340室)が入る。

みなとみらい21周辺部でもシァル桜木町アネックスのある「JR桜木町ビル」の上層階に「JR東日本ホテルメッツ横浜桜木町」(同274室)が開業しており、20年6月にグランドオープンした高さ約200mの超高層複合ビル「横浜北仲ノット」の46~51階には横浜エリア初進出となるサービス付長期・短期滞在宿泊施設「オークウッドスイーツ横浜」(同175室)が、馬車道駅に近い中区海岸通には客室数2311室を誇る「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」ができている。その他、関内の旧市庁舎跡地の開発事業では現在の行政棟が保存活用され、星野リゾートが「レガシーホテル」を開設することが決まった。

建設中の「ミュージックテラス」、ここに世界最大級の音楽アリーナが誕生する

ちなみにこれから竣工する中で注目される開発事業は高島水際線公園そばの60・61街区に建設中の「Kアリーナプロジェクト」と横浜グランゲート前の53街区で着工になった「みなとみらい21中央地区53街区開発事業」だ。両開発事業とも開発のスケールが大きい。Kアリーナプロジェクトは敷地面積が約3万1794㎡、延床面積約11万8680㎡。街区全体の名称が「ミュージックテラス」と決まり、ここにケン・コーポレーションが座席数2万を超える世界最大級の音楽アリーナが入る「アリーナ棟」(地上9階)、ヒルトン横浜が入る「ホテル棟」(地上26階・地下1階)、オフィスが入る「Kタワー横浜」(地上21階・地下1階)の3棟がたつ。一方の大林組・京浜急行電鉄・みなとみらい53 EAST合同会社など5社が進める53区事業は敷地面積約2万621㎡、WEST棟とEAST棟を合わせた延床面積が約18万3132㎡の大規模複合開発。地上30階・地下1階、高さ約158mの規模となるWEST棟はホテル・オフィス・店舗・駐車場などが入り、EAST棟(地上16階・地下1階、高さ約90m)はオフィス・店舗・駐車場・オープンイノベーションスペースなどで構成される。オフィスは両棟あわせた総専有面積が約9万7300㎡を有する。

一方、東西口に大型商業施設が集積している横浜駅エリアで大きく動いたのが2020年。この年に横浜駅西口にニュウマン横浜・シァル横浜・Tジョイ、高層階にオフィスが入る複合商業施設「JR横浜タワー」(地上26階・地下3階、高さ132m、延床面積約9万8491㎡)とシャルアネックス・JR東日本ホテルメッツ横浜・ジェクサー・フィットネス&スパ横浜などが入る「JR横浜鶴屋町ビル」がオープンした。これから横浜駅西口に計画されている開発プロジェクトは相鉄グループの「横浜駅きた西口鶴屋町地区開発計画」。同開発計画では住宅・ホテルおよびサービスアパートメント・商業施設などが入る地上43階の超高層ビルが建設される。竣工は24年3月の予定。新築工事が始まっているのがダイエー横浜西口店の跡地開発。横浜ビブレの隣りで営業していたダイエー横浜西口店は19年2月に閉店した。ここで着工している「(仮称)イオンモール横浜西口建築工事」は店舗と住宅が入る地上22階・地下1階建てのビルを建設する計画(権田金属工業が商業施設を、URが住宅施設を建設、イオンモールは権田金属工業から賃貸借)。商業施設の総賃貸面積は約2万㎡で23年秋開業予定。賃貸住宅(約250戸)は25年1月竣工予定。

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