2021年11月27日

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ルック、上質感や繊細な意匠にこだわる「スキャパ」が高感度な女性から高い支持

絵柄やカラーリング、ディティールなどにスコットランド由来の要素を多く取り入れている

ルックの「スキャパ」は天然素材へのこだわりやインポート素材ならではの高級感、繊細な意匠などが好評を博し、高感度な女性からの支持を集めている。英国の伝統的なスタイルを独自のモダンなタッチで表現する同ブランドは、1991年にルックで展開を始め、販路を着実に拡大。今年で30周年を迎えた。特にプリント柄や刺繍、レースといったクラフト感のあるディティールが好まれており、10月中旬には周年企画としてイタリアのファブリックメーカー、フェデリコ・アスぺジの過去のアーカイブ柄を用いたコレクションを発売。〝スキャパらしさ〟を前面に出したアイテムで顧客への感謝を伝え、同時にブランドの勢いに弾みをつける。

スキャパは1967年、ベルギーのアントワープでスタート。コンセプトは創業者であるブライアン・レディング氏の出身地、英国スコットランドへのノスタルジアがベースとなっている。素材は高級感や上質感を重視し、綿、麻、シルク、ウール、カシミヤ、ツイードなどの天然素材を多く使用。色使いはスコットランドなどの大自然から着想を得たカラーをメインに設定し、MDを構成している。

日本ではルックが1991年からライセンス契約で製造・販売を手掛け、百貨店を中心に販路を拡大。モノづくりへの高いこだわりが40~50代の感度の高い女性を中心に人気を博し、現在では全国に約50店舗を擁している。

中でも特に、刺繍やプリント柄の商品の人気が根強い。今春夏は日本上陸30周年記念の第1弾として、長年スキャパと取り組んできたファブリックメーカー、ラッティとリバティの過去のアーカイブ柄を用いた限定商品を発売し、好調な売れ行きをみせた。「外出自粛などによって服を着る機会が減少する状況下でも、スキャパならではのプリント柄を好むお客様が顕在な証。改めてブランドの強みを実感した」と事業本部商品企画室企画課マーチャンダイザー(SCAPA)の町田真氏は振り返る。

 

日本30周年を記念し過去のアーカイブを復活

「アスぺジ エンブロイダリー」のドレスとスカート

今秋も30周年を記念したアーカイブ企画を実施。イタリアのトップクラスのファブリックメーカー、フェデリコ・アスぺジの過去のアーカイブから印象的な絵柄を厳選し、それぞれスカート(7万5900円)とドレス(10万8900円)を10月13日に発売した。フェデリコ・アスぺジはパリの国際的な素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」の受賞歴があるなど本国でも評価が高い。スキャパでは2000年代~2010年代初頭のコレクションに多く登場している。

絵柄は3種類を用意。「アスペジ アンティーク サラサ」は16~17世紀に作られたタペストリー用の柄をベースにデザインした。上品な光沢のあるベージュの糸で花柄の刺繍を施し、カスリ調のサラサ柄をブロック状にプリントしている。「アスペジ フラワー サラサ」はモスグリーンを基調に、それに映える光沢のあるオレンジ色の糸で花柄の刺繍を施した。さらにフラワーサラサ柄のプリントを重ね、陰影を感じさせる。「アスペジ エンブロイダリー」はウール混の先染め糸で杢調に織り上げた基布に、ネイビー、グリーン、オフベージュの3色の光沢糸を使って花や葉などのボタニカル柄を繊細かつ大胆に刺繍。秋冬にふさわしい温かみを演出する。3種類とも今シーズンのテーマに合わせ、カラーや素材をアレンジしている。

こうした商品の発売によって長年の顧客への感謝の意を伝え、ブランドの活性化に繋げる。また秋冬シーズンは9月初旬までにコレクションの第1弾が投入され、11月以降は厚手のニットやコートなど本格的な重衣料の展開が始まるため、その狭間である10月に人気商品を発売することで、来店頻度を高める狙いもある。

 

カジュアル化にも対応、軽量なアウターを拡充

ブランドの象徴的な商品を打ち出す一方で、近年のトレンドや新たな生活様式への対応も進めている。同ブランドはジャケットやセットアップのスタイルを得意とするが、ここ数年の衣服のカジュアル化や軽量化、さらに通勤の機会の減少といった状況を踏まえ、今春夏はニットやジャージー素材のアイテムや、シルエットがややオーバーサイズのものなど、カジュアルに着こなせる商品を拡充。その結果、売上げは比較的堅調に推移した。この流れを受け今秋冬も、デイリーで手軽に着用しやすい商品を増やした。ニット素材の羽織り物や、ジャケットとコートの中間に位置するようなアウターを用意する。

MD以外ではインターネット上の販売促進も強化しており、ライン、フェイスブックに加え、今年2月にインスタグラムを開始。新作コレクションなどを掲載し、既存顧客とのタッチポイントの拡大や、新客の獲得を図っている。

昨今はコロナ禍をはじめアパレル業界にとって厳しい商況が続くが、町田氏は「ブランドの世界観から外れるような商品や、廉価なものは作らない」と語る。カジュアルな着こなしを取り入れ、ネット販促を強化するなど、時代に合わせた施策を行いつつも、30年間で支持を得てきた天然素材の上質感、クラフトマンシップを感じさせるディティールなどにこだわった商品を提供する方針だ。