2024年10月12日

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桜香る春限定鰹節 日本の伝統に着想 にんべん

にんべんは、最上位の「NIHONBASHI」シリーズで、山桜の香りをつけた「桜香る花かつお」を数量限定で発売した。国内製造の荒節を使用し、血合いを除いた正肉だけを花びら状に削った「花削り」で用意した。春の季節にちなみ、山桜の燻香をまとわせ、食卓で季節を感じられる。容量は20gで、価格は340円。にんべん日本橋本店限定で取扱う。

にんべんが2018年に参加した、日本で培われた伝統的な感性、価値観を学び、新たな商品の開発に生かす実践講座「日経ディスカバージャパンアカデミー」から生まれた。にんべんは講座で、日本の伝統的な物事の捉え方を学びながら、新たな価値の発掘を試みた。そこで、江戸時代に生まれた、色彩の種類を表現した「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉に着目。限られた色しか使用を許されなかった中、庶民は限られた色に微妙な色味の変化を与えファッションを楽しんでおり、この時に生まれた色が四十八茶百鼠と呼ばれている。

このような微差に価値を見出す視点で鰹節づくりを見直し、鰹節も、焙乾で使用する薪の違いが微妙な風味の差へつながっていることに気づいた。そこから焙乾工程の工夫によって季節の香りを持たせた鰹節が作れないかというアイデアに至り、同商品の開発へと繋がった。

研究開発部課長の永田敏章さんは、「作り上げるまで非常に苦労した。スモークチップや薪の種類、庫内の温度条件など、様々な条件の作業を繰り返し、約1年半かけて完成させた」とコメントした。