2021年10月21日

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丸広百貨店が直営する魚の惣菜売場、“安くて美味い”が支持され初年度黒字へ

丸広百貨店が川越店で運営する「丸広魚彩」は、サイズの違いを含めて常時20種類前後を取り扱う

魚の惣菜なら、どこにも負けない――。丸広百貨店が昨年11月4日に川越店の地下1階に開いた、直営の魚の惣菜売場「丸広魚彩(まるひろうおさい)」が好調だ。焼き魚や煮魚、フライ、弁当など常時20種類前後を揃えるが、全て旬の魚の“生”か一夜干しを使い、フライは骨を丹念に取り除くなど質を追求するとともに、価格は“デパ地下”で魚の惣菜を販売するショップより100~200円ほど安く設定。質と価格の両方の魅力がファンを増やし、初年度から黒字を確保する情勢だ。鮮魚の売場を直営してきたノウハウ、つまり強みの水平展開が、新たな収益源を生み出した。

自ら仕入れ、加工して売り、儲ける。商売の基本であり根源である反面、リスクは小さくなく、百貨店業界でも直営の比率が下降の一途を辿る中、その“荒波”に漕ぎ出したのが、丸広魚彩だ。

準備は2019年に遡る。同時期に川越店と上尾店を除いて鮮魚の売場を直営からテナントに転換。30年以上前から店内で一夜干しや漬け魚(味噌や酒粕などに漬けた魚)を手作りして販売し、その月商が2010年頃に川越店で300万円を記録するなど、直営にはこだわりと定評があったが、一転して「独自性や知見を含め、どうやって残すか」(原嶋薫本店営業第2部次長)という岐路に立たされた。

30年以上に亘り、自家製の一夜干しや「漬け魚」を販売してきた

勝機を見出したのは惣菜だ。以前から「一夜干しや漬け魚を焼いて売って欲しい」という客の要望は多く、共働き世帯の増加にともない焼き魚や煮魚、フライなどを作る人も減少。19年は川越店から魚の惣菜を扱うショップが撤退したタイミングでもあり、いわゆる「中食」を取り込めると判断した。

コンセプトは「あくまでも生魚を仕入れ、二次加工して売る。冷凍は使わない」(原嶋氏)。全ての商品は川越店内に構える2カ所の厨房で加工し、社内での試食会を経て販売。味に妥協は許さない。鮮魚売場で消費期限が迫った商品も用い、フードロスの削減にも役立てる。

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