2024年10月09日

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2021年4月 東京・大阪地区百貨店売上高

コロナ禍の影響が続き、前々年比では3割減

東京地区百貨店(12社・24店)の4月売上高は861億円余で、前年比(店舗調整後)は186.2%増となった。入店客数も251.6%増で、19か月ぶりにプラスに転じた。前年の新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう臨時休業や時短営業の反動増に起因する。この要因を除く前々年(19年)比の実質伸長率では売上高が31.5%減、入店客数で46.0%減となり、前月(売上高22.4%減、入店客数41.7%減)を上回る厳しさが続いた。

3カ月移動平均値は、8~10月24.3%減、9~11月20.5%減、10~12月13.7%減、11~1月21.7%減、12~2月21.0%減、1~3月12.4%減、2~4月26.5%増。コロナ禍の2巡目に入り、反動増が表れるステージに入ってきたものの、前々年比の実質では厳しい状況が続いている。

売上高のうち店頭(構成比89.4%)は335.0%増となり、前月(20.6%増)を大幅に上回る伸長率。非店頭は26.4%減となり、前月のプラス(3.5%増)から再びマイナスに陥った。

商品別では主要5品目が全て2カ月連続増だが、前々年比では全て大幅減の状況。衣料品(379.6%増)と雑貨(328.0%増)の伸長率が突出している。衣料品では婦人服(650.9%増)がけん引。ビジネス関連の苦戦が続いたものの、気温上昇に伴い軽衣料のカットソーや軽量のアウターなどの売れ行きが良かった。雑貨では引き続き高額時計や宝飾品、美術品が好調で、美術・宝飾・貴金属(587.5%増)が高伸し、3カ月連続増。化粧品(275.9%増)も健闘した。しかしながら前々年比では衣料品が39.1%減、雑貨が34.0%減となり、化粧品は47.6%減。ただ美術・宝飾・貴金属は12.9%減まで復調してきた。

身のまわり品(223.5%増)はラグジュアリーブランドが好調だったが、外出自粛やイベント機会の減少を背景に靴やバッグなどの需要は停滞しており、前々年比では33.4%減の回復度に止まっている。

また、食品(111.6%増)は菓子(251.7%増)と惣菜(125.3%増)がけん引し、ECでの受注、自宅でのお祝いニーズによる弁当や惣菜、生洋菓子が堅調だった。食品の前々年比は17.5%減で、高伸長した菓子が27.4%減、惣菜が18.1%減までの回復度だ。

最も伸長率が低い家庭用品(40.8%増)は、イエナカ需要とギフト需要の高まりを背景に、特選洋食器、調理家電、インテリア用品が好調だった。家庭用品のうち家電(23.8%増)は5カ月連続増で、前々年比は15.6%増まで伸ばしている。