2025年11月04日

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天然石ジュエリーの「ビズー」、「源氏物語」着想のコレクションを展開

山内マリコ氏の短編小説の一節と併せて展示されたジュエリー

ドリームフィールズの「BIZOUX(ビズー)」は10月30日、「Tales of Her 物語を纏うジュエリー―源氏物語の彼女たち」と題し、「源氏物語」の登場人物から着想を得たカラーストーンジュエリーを発表した。11月に京都店が3周年を迎え、同社が国内のジュエリーブランドでもあることから、日本文化をテーマに採用。紫の上、六条御息所、朧月夜、明石の君の4人の女君をモチーフにした全9型を用意した。そのうち5型は、小説家の山内マリコ氏によるオリジナル短編小説が付くプレミアムラインで、京都店にて限定100点で販売する。

2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年に小説家デビューした山内マリコ氏

同ブランドはギンザシックスなど全国に直営店を10店舗持ち、昨年には新宿にジュエリー工房を併設した「ビズー カラーラボラトリー」をオープンした。「色診断」と「パーソナルカラー診断」を導入し、100種類以上の宝石から顧客に合った色の石を提案している。

紫の上を表現したプレミアムジュエリー

「一人一人の女性に個性があるように、宝石にも1つ1つ異なった魅力がある。自分らしく自由に楽しめるジュエリーを届けることがブランドの原点。源氏物語に登場する個性的な女性に着想を得たコレクションの展開は、我々のポリシーを体現したもの」とジュエリー事業本部事業推進部販売促進課の長谷川瑞歩氏は語る。

朧月夜が着想源となったプレミアムジュエリー

今回のプロモーションは、日本画家の平松莉奈氏の挿絵が添えられた山内マリコ氏の短編小説を用意した。小説は4編からなり、源氏物語の女君が現代の京都に生きていたら、をテーマに描かれている。源氏物語を中心とした物語文学を専門とする清泉女子大学の藤井由紀子教授も企画に協力している。「ここまでの規模の企画は前例がない」(長谷川氏)。11月19日から26年1月18日まで、京都店では企画展を開催し、短編小説付きのプレミアムライン5型(京都店限定100点)も販売する。

プレミアムラインの世界観を受け継いだレギュラーライン4型

4人の女君から着想を得たカラーストーンジュエリーは、その生き方や魅力を熟練の職人による繊細な仕上げで表現。芳しい樺桜のような佇まいと人との縁によって変化していくしなやかな紫の上はあこや真珠、高貴で優雅、情熱的で多面的な魅力の六条御息所は黒蝶真珠、自由奔放さと情熱を持ち、感情をストレートに表現する朧月夜はブルージルコン、穏やかな気品と安らぎを持つ明石の君はブルーサファイアが主体石に使われている。日常使いとして手に取りやすいレギュラーラインも4型販売し、直営店やオンラインストアで扱う。

木造建築の風格ある佇まいの京都店

同ブランドは、ビジネスで香港や台湾から半年に一度来日する客もリピーターに持ち、インバウンドの顧客化に成功している。高価格帯の商品の動きも良い。「コレクションでは、小説とジュエリーの組み合わせで多様な美しさを表現した。ジュエリーが持つ物語性を感じてもらいたい。今後も様々な企画を展開していく」(長谷川氏)。

(北野智子)