2026年05月15日

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復活するインバウンド 百貨店の戦略と課題

松屋は12月の免税売上高が2019年を上回った

昨年10月の入国制限緩和から回復の一途を辿るインバウンドは、百貨店にとって強力な追い風だ。しかし外国語話者の人材難など、受け入れ体制の再整備には課題がある。また、中国本土からの客は依然として少なく、それ以外の東アジア、東南アジアの客が主力となるなど、客層にも変化が生じている。百貨店のインバウンド消費の獲得に向けた現在の状況や、今後の戦略を探った。

売上げ増加が続く コロナ前超える店も

日本百貨店協会の発表によると、2022年9月の全国百貨店の免税売上高が約91億円(19年比63.7%減)、10月が約137億円(同46.6%減)、11月が約173億円(同32.9%減)、12月が約215億円(28.9%減)。10月11日の水際対策の大幅緩和から右肩上がりに伸長していることがわかる。

中にはコロナ前に迫る店舗も現れており、阪急阪神百貨店は11月、12月の免税売上高がコロナ前比で9割を超える水準で推移。三越伊勢丹は11月に伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店の両本店が18年実績を超えた。松屋は10月が19年比5割強、11月が9割弱まで戻り、12月は19年を上回っている。

高島屋は10月が19年比34.1%減、11月が20.7%減、12月が9.8%減と回復基調が続く。とはいえ地域差があり、関東の店舗の客数がコロナ前の約7割、関西が約3~4割となっている。これは「関西国際航空と比べて羽田空港や成田空港の方が便の戻りが早いため、差が生じている」(高島屋企画宣伝部企画宣伝担当安武美雪次長)という。

このように数字の上ではコロナ前に近づいているが、その内訳は大きく変化している。以前のメイン層だった中国本土の客は、水際措置の厳しさによって未だに戻っていない。日本政府観光局のデータによると、19年は中国からの訪日客が全体の約3割を占めていたのに対し、22年は約5%に留まった。対して韓国、台湾、香港の割合が増えている。

売れる商品も変動した。百貨店では以前からラグジュアリーブランドは人気だったが、円安の影響でさらに高まった。化粧品は「ラグジュアリーブランドに比べると単価は低く、客数による部分が多い。さらに入国者が増える、今後伸びていくと思われる」と松屋顧客戦略部顧客政策課プランナー(課長補佐)龍野由木氏は述べる。

こうした情勢も踏まえ、百貨店は海外向けの情報発信、店頭の接客やサービスの見直しなどを進めている。

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