2025年01月18日

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2024年10月 東京・大阪地区百貨店売上高

インバウンドは再び増勢へ、国内は伸び悩み

日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の10月売上高は1309億円余だった。前年比(店舗調整後)は1.1%減と2カ月連続のマイナスで、入店客数も9.0%減といずれも前年を下回った。気温が下がらず秋物商品が苦戦したほか、日曜日の1日減なども要因となった。インバウンドは8月以降減速傾向だったものの、中国の国慶節や韓国の大型連休による客数増加の影響もあり再び増勢となった。各社の外商催事や上顧客向け施策も奏功した

3カ月移動平均値は、直近の8~10月が1.4%増、7~9月が4.8%増、6~8月が10.5%増、5~7月が13.7%増、4~6月が14.8%増、3~5月が12.9%増だった。

商品別では、衣料品(1.6%減)、雑貨(2.3%減)、家庭用品(2.8%減)、食料品(5.2%減)の4品目が前年を下回った。主力の衣料品は2カ月連続でマイナス。記録的な高気温で主力のコートなど重衣料が低調だったが、ブルゾン、ジャケットなどは好調だった。中旬以降に気温が低下するに連れ、防寒アウターにも動きがみられた。婦人服・洋品(0.9%増)は、ブラウスやワンピースが好調で2カ月ぶりにプラスに転じた。

身の回り品(3.2%増)は38カ月連続のプラスで、インバウンド需要によってラグジュアリーブランドのハンドバッグやスーツケースの好調が続いた。婦人靴はブーツの動きが鈍かったが、スニーカーは売上げを伸ばした。紳士靴もビジネスは低調だったものの、カジュアルが好調だった。

雑貨は2カ月連続のマイナス。美術・宝飾・貴金属(7.9%減)は、催事の期ずれなどの影響もあり前年割れしたが、時計は各社で好調だった。化粧品(11.2%)は、インバウンドが押し上げ2桁増を示した。スキンケア商品では、日本国内メーカーのライン使いなど単品買いからのシフトがみられ、客単価が向上した。

食料品(5.2%減)は、生鮮食品や惣菜の物価上昇が響き、食料品全体で4カ月連続減となった。物産展や食品催事は、各社好調だった。菓子は手土産のほか、気温の低下でチョコレートが好調だった。