2024年05月22日

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日清オイリオ、磯子春まつりで初の「日清ヘルシークリア」講座

磯子春まつりでは毎回好評の食用油講座。満を持して、新商品「日清ヘルシークリア」の講座を開いた

日清オイリオグループは先ごろ開催した「第39回 日清オイリオ横浜磯子春まつり」で、食用油講座「開封後もオイルのおいしさ続く『日清ヘルシークリア』のひみつ」を実施した。「日清ヘルシークリア」(以下、ヘルシークリア)は2月28日に発売したばかりの新商品。酸化を抑制する新技術「ウルトラ酸化バリア製法」を採用し、油本来の新鮮なおいしさの持続を実現した。講座の参加者からは「油へのイメージが変わった」との声も聞かれ好評。新商品の訴求とともに、油の持つ栄養や健康機能への理解も深める。

4月20日、21日の2日間、会場は多くの人で賑わった。物販には長蛇の列も

横浜磯子まつりは例年4月、生産拠点である横浜磯子事業場で開催している。同社事業に理解を示す近隣住民をはじめ、工場運営に協力的な磯子区の行政や警察、消防への感謝を伝えるために始めたイベントだ。新型コロナウイルスの流行により春の開催は2019年以来5年ぶりとなり、今年は2日間で約9000人が来場した。

イベントでは毎回、趣向を凝らしたコンテンツを揃えて来場者を楽しませる。中でも「食用油講座」は抽選希望者も多く、同社事業への理解と油への興味を深めてもらうのに一役も二役も買っている。これまで、人気のオリーブオイルや健康志向で話題のMCTオイルなど様々な油を題材としてきたが、今回は発売間もないヘルシークリアをテーマに開講する。

会場には抽選に当たった50人近くの参加者が集まり、ホームユース開発課主任の岸健汰氏が講師を務めた。まず同社が開発してきた家庭用食用油の歴史がスクリーンに映し出された。1924年に発売した「日清サラダ油」から今年で100年目であることに触れ、「100年目の新技術」をうたうヘルシークリアの解説へと移った。

油の劣化や酸化に関する問い合わせの多さから、商品開発はスタートした

ヘルシークリアの開発コンセプトは「鮮度長持ち、サビないオイル」。酸化防止に焦点を当てて開発された商品で、ヘルシークリアの特徴は➀つくりたての油の美味しさが開封後も持続②新油/開封120日後の調理品評価で、評価者の約8割が「すっきり、脂っこくない」と回答③油特有の加熱時の臭いを大幅に抑制――の3つ。

岸氏は「そもそも酸化とは何か」について説明する。酸化とは酸素が他の物質と結合する化学反応で、その物質が持つ機能も変化してしまうこと。スクリーンに茶色に変色した鉄のくぎやリンゴが映ると、頷く受講者の姿も見られた。続けて油の酸化メカニズムを示す分子構造の図に合わせ、植物油はほとんどが不飽和脂肪酸であること、分子の二重結合部分に酸素が結び付くのが油の酸化で、植物油はこの二重結合が多いので要注意であることも、岸氏は丁寧に説明する。

新製法について、イラストなどで作用をわかりやすく伝える

こうした油の酸化を引き起こす原因を解決するのが、ヘルシークリアに採用されたウルトラ酸化バリア製法だ。低温高真空脱臭で製造後の酸化油脂(脂質ラジカル)の生成を抑制する「Neoナチュメイド製法」と、容器のヘッドスペースにある酸素を窒素で徹底除去する「酸化ブロック製法」の2つの既存技術に、新たに開発した「日清ウルトラファインバブル製法」を組み合わせた。

岸氏は「100年の技術を総決算して新しい技術を加えた。日清ウルトラファインバブル製法が、ヘルシークリアの“肝”」と、新技術を表現する。ウルトラファインバブルとは国際規格で定義されている“超微細な泡”のこと。この技術を応用し、製造工程だけでなくボトルに油を充填した後も超微細な窒素の泡を油に吹き込み、油の中の酸素を徹底的に追い出すことに成功した。開封後の油の酸化を抑えると同時に、すっきりとした脂っこくないおいしさも叶える。

同社では、油中の溶存酸素量を測定してヘルシークリアの製造を担保しており、岸氏は「一般キャノーラ油を1とした場合、ヘルシークリアの油に含まれる酸素量は約20分の1まで減らせている」と、実際の研究結果を公開。開封後も酸化を抑え、油本来のおいしさが持続するエビデンスを余すことなく披露し、約30分の講座は終了した。

「日清ヘルシークリア」(画像中央)はボトルも工夫。持ちやすいよう溝を施し、素材は再生プラスチックを使用する

アンケートに細かく感想を記入していた女性は「磯子春まつりには初めて来た。講座は興味深く、とても楽しかった」と充足感を得た様子。薬剤師の仕事をしていることもあり、エネルギー源でもある油の重要性については知識があった。「料理にも油はよく使う。普段の仕事でも、患者に『油は最低限は取らないと』と摂取への必要性を話している」という。今回のレクチャーで「油の種類は色々あるけれど、何が本当にいいかはわからない。勉強になった」と話す。

同じく受講した母娘は「元々油へのイメージは良くなかった。すぐ酸化するイメージもあって消費量を控えていた」そうだ。しかし「そんなに気にしなくていいのかなと思った。世間的にはオリーブオイルの評判が良いので、揚げ物にはオリーブオイルを使ってきたが、これからはヘルシークリアをぜひ使ってみたい」と、新たな意欲につながったようだ。磯子春まつりにはコロナ禍前にも来ており、当日も朝早くから来場。大きな買い物袋を手に「講座の前にも色々買ったが、この後も買い物を楽しみたい」と、久しぶりの来場を満喫する。

同社は、磯子春まつりを「地域の皆様へ感謝を伝えるコミュニケーションイベント」と位置付けている。その中でも食用油講座は、油本来の魅力を伝える重要なコンテンツだ。日清オイリオ広報部の渡邉淳子氏は「こうした機会を使って、お客様へ油についての正しい情報や使い方を伝えるとともに、日常での油に対するお困りごとを解消したい」と語る。

今回初開講となった「開封後もオイルのおいしさ続く『日清ヘルシークリア』のひみつ」は、その“ひみつ”で、また新たなファンを獲得したに違いない。

(中林桂子)