2024年02月26日

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日本の都市特性評価、2023年もトップは大阪市 横浜市と名古屋市がランクアップ

136都市の中で1位となった大阪市、「経済・ビジネス」、「交通・アクセス」で首位を維持(写真はJR大阪駅)

一般財団法人森記念財団都市戦略研究所は先ごろ、「日本の都市特性評価(JPC:Japan Power Cities)2023」を発表した。全国の136都市および東京23区を対象として、定量・定性データを基に分析し、都市の強みや魅力といった都市特性を明らかにする調査。6回目となる今年は、前回に続き大阪市がトップで、横浜市が4位から2位に、名古屋市が5位から3位にランクアップした。東京23区では千代田区、港区、中央区が引き続きベスト3を堅持した。

調査対象都市は国内の136都市と東京23区で、136都市については「政令指定都市」、「都道府県庁所在地(政令指定都市を除く)」、「人口17万人以上の都市」の3つが選定基準となる。調査においては、都市の力を構成する要素に「経済・ビジネス」、「研究・開発」、「文化・交流」、「生活・居住」、「環境」、「交通・アクセス」の6つの分野を設定。それらの主要な要素である26の指標グループと、各グループを構成する86の指標を選定した。

評価体系は、各指標をスコア化し平均したものを指標グループのスコアとし、最終的に合算して分野別スコアを算出。合計スコアは2600点満点(経済・ビジネス600点、研究・開発200点、文化・交流500点、生活・居住700点、環境300点、交通・アクセス300点)で作成する。

JPC調査の結果、136都市で合計スコア上位10都市は、1位「大阪市」(前年1位)、2位「横浜市」(同4位)、3位「名古屋市」(同5位)、4位「福岡市」(同3位)、5位「京都市」(同2位)、6位「神戸市」(同6位)、7位「仙台市」(同7位)、8位「松本市」(同10位)、9位「金沢市」(同8位)、10位「札幌市」(同12位)。このうち横浜市が前年の4位から2位に、名古屋が5位から3位に、札幌市が12位から10位にアップした。

136都市の中で2位の横浜市、文化・交流で強さ(写真はみなとみらい21地区)

横浜市は文化・交流、経済・ビジネスでスコアを伸ばし、評価を上げた。特に文化・交流の国際会議・展示会開催件数については、新型コロナウイルス禍の影響で多くの都市が件数を落とす中、伸ばしたことで交流実績で突出した偏差値を獲得。観光客誘致活動も積極的で、発信実績の評価を上げた。

一方の名古屋市は、研究・開発と交通・アクセスで高い評価を得ており、知の集積と交通の要衝としての強みを発揮した。研究・開発は研究集積、研究開発成果のどちらも評価が高かった。今年はシェアサイクルポート数が増加したことで、自転車利用のしやすさのスコアも伸ばした。

1位の大阪市は、経済・ビジネス、交通・アクセスで首位を維持したことに加え、生活・居住でも順位を上げた。居住環境における新規住宅供給の多さや居住環境の満足度、安全・安心における災害時の安全性でスコアを上げたからだ。

5位に順位を下げた京都市は、コロナ禍の影響で交流実績における国際会議・展示会開催件数のスコアを落としたものの、文化・交流は今年も首位を維持。一方で経済・ビジネスにおいては、人材の多様性やビジネス環境などの指標グループで評価を落とし、順位を下げる結果となった。

分野別スコアでみた経済・ビジネスのベスト10都市は、1位大阪市、2位福岡市、3位名古屋市、4位安城市、5位豊田市、6位横浜市、7位浦安市、8位つくば市、9位調布市、10位神戸市。

研究・開発では、1位名古屋市、2位京都市、3位つくば市、4位横浜市、5位大阪市、6位福岡市、7位仙台市、8位神戸市、9位厚木市、10位札幌市。

文化・交流では1位京都市、2位横浜市、3位大阪市、4位福岡市、5位名古屋市、6位神戸市、7位札幌市、8位金沢市、9位仙台市、10位長崎市。

生活・居住でのベスト10都市は、1位松本市、2位出雲市、3位福岡市、4位浜松市、5位前橋市、6位熊本市、7位福井市、8位豊田市、9位豊橋市、10位山形市。

環境では、1位豊橋市、2位横須賀市、3位出雲市、4位松本市、5位宮崎市、6位大津市、7位佐世保市、8位浜松市、9位山口市、10位つくば市。

交通・アクセスでは、1位大阪市、2位名古屋市、3位福岡市、4位浦安市、5位尼崎市、6位横浜市、7位豊中市、8位静岡市、9位伊丹市、10位川崎市。

23区で1位になった千代田区(写真はJR東京駅周辺)

東京23区での上位6都市は「千代田区」を筆頭に、「港区」、「中央区」、「渋谷」、「新宿区」、「文京区」の順となった。東京23区の中心部にあり、首都機能とオフィス街、住宅街が共存する千代田区は、前年に続き経済・ビジネス、生活・居住、交通・アクセスの分野で対象23区中1位を獲得したほか、文化・交流においても1位。経済・ビジネスでの雇用・人材や、生活・居住における居住環境、文化・交流の発信実績などでスコアを伸ばした。2位の港区は、今年も研究・開発で1位を維持。特に特許取得数、グローバルニッチトップ企業数、トップ大学数で高い評価を得た。

経済・ビジネス、環境、交通・アクセスで高評価を得た3位の中央区は、生活・居住の生活利便施設と居住環境の指標グループで高評価された。加えて、経済・ビジネスの人材の多様性や、環境の自然環境でも高い水準の偏差値を獲得している。4位の渋谷区は前年同様、文化・交流が3位、経済・ビジネスおよび交通・アクセスが4位、生活・居住が5位と、4つの分野で高い評価を維持した。5位の新宿区は、経済・ビジネス、研究・開発、文化・交流において対象23区中トップ5入りした。

(塚井明彦)