2024年02月29日

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松屋の中元商戦、ネット通販が好調 シェア拡大を狙う

松屋銀座店で中元商戦がスタート。冷凍グルメや夏にちょうど良いスイーツなどを取り揃える

松屋の中元商戦は、昨年に続きインターネット通販を主軸に展開する。5月31日時点で、前年の220%と好調な売上げを記録しており、特に自家需要品が前年の約6倍と大幅に伸長している。今年は販売期間を昨年より10日早め、5月17日~7月26日に設定。品揃えは約1600点と前年並みだが、即使用可能なクーポン券の付与や、購入すると抽選でプレゼントが当たるキャンペーンなどを打ち出す。商戦全体の売上げ目標は前年比5%減に据えるも、ネット通販は前年より25%増に引き上げ、売上げシェア拡大を目指す。そのほか、食品売場の店頭では前年より5%増、銀座店のギフトセンターは15%減、外商は5%減の数値目標を示した。

昨年は物流コスト増や新型コロナウイルス禍の影響で、ギフトセンターを縮小してネット通販での販売に注力。「松屋ポイントカード」のポイント5倍と、ECサイトを新規に利用した先着1000人に1000ポイント付与のメリットを打ち出した。今年は引き続く価格高騰により昨年同様のサービスは難しいとした上で、ポイント2倍に変更。インセンティブ策として、新規利用の先着1000人にはECサイト内ですぐに使える1000円分のクーポン券を付けて、サービス内容の均衡を保つ。松屋の飯田尚思営業一部食品二課バイヤーは「10日間前倒しにしたことによって良い結果が出ているというのが第一印象」と手応えを口にする。自家需要品についても値上がりは顕著だが、少しでも安い上代設定に努めた。

今回はネット通販の売上げシェア拡大も狙い、飯田バイヤーは「全体の4~5割にまで持っていきたい」と述べる。昨年のネットの歳暮商戦の売上げは前年の209%、シェアが20%、中元は売上げが前年の241%で、シェアが19%だった。購入すると抽選で商品が当たる「ギフトを贈ってギフトを貰おうキャンペーン」は、昨年より2社多い9社のバナー広告を掲載。ビールや洋菓子メーカーから老舗料亭までを揃えて、利用促進のきっかけにしたい考えだ。

好調な売上げの冷凍食品。充実のラインナップで、今年はカタログに2ページ掲載した

昨年8月に地下2階にオープンした冷凍食品売場「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザフローズングルメ)」の商品も登場。前回はカタログ掲載に間に合わなかったが、今年は見開き2ページで特集し、月額400万円の売上げ目標を掲げる。銀座の名店の味に加え、松屋銀座店オリジナルのメニューも取り揃える。開発当初から高級路線を打ち出しギフト需要を見込んでいたため、中元商戦でも強みとしてアピールする。

松屋銀座店8階の会場には、バラエティ豊かなギフトが並ぶ

銀座店のギフトセンターは、販売期間を6月7日~7月10日と昨年より15日間短縮した。会場面積は昨年より広げ、元売りの商品を厳選して展開する。新型コロナ禍が落ち着き、百貨店への客足も大分戻ってきた。こうした中でもギフトセンターの売上げ目標は前年を割る数字だ。飯田バイヤーは「一旦コロナが終わったということもあるが、(中元の利用自体が)20年位前からダウンしていっているのは否めない事実」と、趨勢を見極める。

若年層の取り込みについても「若い人には日々の『パーソナルギフト』の需要が目立つ。SNSなどで常につながっていることで『季節の贈り物』の意味合いが薄れてきているのかもしれない」(飯田バイヤー)。中元商戦の主要顧客が高齢層であることに変わりはなく、若年顧客の利用は地道に取り組んでいくべき課題と位置付ける。

飯田バイヤーは「今回の成績が次回以降のリトマス試験紙となる。売上げが前年の97%ぐらいまで届いてくれると、次のお歳暮にも明るい兆しが見える」と話す。昨年の中元・歳暮商戦の実績は、共にネット通販の売上げが前年の200%を超えた。今年もさらにネット通販への移行が進むとみられ、顧客の利便性向上や“お得感”の提供で利用を促進する。

(中林桂子)