2024年04月29日

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御殿場プレミアム・アウトレットに「共感型接客スタイル店舗」

トレーラーハウス2台を使った「バルクオム」のポップアップストア

「御殿場プレミアム・アウトレット」に新たな接客スタイルのポップアップストアが登場した。三井物産グループのMoon Creative Lab Inc.が運営するメタジョブ!(=VRイベントやリモート接客などのデジタルワークに特化したジョブマッチングサービス)と三菱地所・サイモンで取り組み、三菱地所・サイモンが展開するリアル店舗をベースとする実証実験プラットフォーム「PREMIUM OUTLETS® SATELLITE(プレミアム・アウトレット サテライト)」で得た移動型店舗のノウハウを活用。人気メンズスキンケアブランドの「BULK HOMME(バルクオム)」の商品を期間限定で販売する。

御殿場プレミアム・アウトレットのイーストゾーンで12月3日から展開が始まった「PREMIUM OUTLETS® SATELLITE FOR BULK HOMME POP-UP STORE」は、これまでのショールームとは異なる。ブランドの販売員でなく、その商品やサービスを愛用し、実体験に基づいた使用感を伝えられる「ファンスタッフ」と会話しながらショッピングが可能な「共感型接客スタイル店舗」。プレミアム・アウトレットにメンズスキンケアの専門店が出るのは初めてだ。

三菱地所・サイモンの「御殿場プレミアム・アウトレット」

第1弾となる今回のテーマは「男の乾燥肌対策」。「乾燥肌対策を始めたいけれど何から始めていいかわからない」、「自分と同じような悩みを持った人がどのように商品を使っているか知りたい」、「プレゼント用として何がいいか悩んでいる」などに、ファンスタッフが音声通話やテキストチャットを通じて回答。ユーザー目線で商品に関する体験談を共有する。ファンスタッフとのコミュニケーションはオンラインツールを用いて非対面形式で行われるため、販売員のいない店内で商品に触れながら、自分のニーズに合う商品なのかなどを気軽に聞ける。

ファンスタッフは販売員やオペレーターとは違う“第3の接客員”として、ユーザーならではの視点で商品の魅力を提案する。商品に関する自身の体験に基づいた共感性の高い情報をオンラインでリアルタイムに提供し、顧客の疑問や悩みに寄り添った接客を可能にする、新たな接客の仕組みだ。

ファンスタッフとのやり取りは、店内に設置されたタブレット端末からオンラインで行う。気になった際はその場ですぐに話せる。気に入った場合は2次元コードからオンラインストアで購入できる。また、チャット用の友達登録を行えば、後からテキストでの質問や相談も可能だ。

従来の店舗では商品に関する情報はブランドの販売員が提供しているため、実際の使用感を知りたいエンドユーザーは、来店後に口コミを調べた上で再来店して購入するなどの行動が多い。しかも、一方的に投稿された口コミを吟味するのに多くの時間を費やす傾向にある。

これに対し今回のポップアップストアでは、共感型接客スタイルによって、店頭で気になった商品についてその場で質問や相談が可能だ。実際に商品を手に取ることで、オンラインでの購入において疑問になりがちな質感や香りなどを確かめつつ、先輩ユーザーでもあるファンスタッフから商品に関するリアルな声を確認しながら買い物するという、オンラインにも実店舗にもない新しいショッピング体験を提供している。

同ポップアップストアはトレーラーハウス2台を使い、23年1月22日まで展開(営業時間10時~18時)。バルクオムの商品は冬の乾燥対策向けスキンケア商品が中心で、アウトレットではなくフルプライスでの販売だ。

(塚井明彦)