2020年07月06日

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コロナ禍の新態勢で臨む 松屋の「銀座の男」市

2020/06/04 2:02 pm

6月1日より全館の営業を再開した松屋銀座では、8階イベントスクエアで40年以上続く紳士スーツの名物催事「『銀座の男』市」を3日から開催している。営業再開後初めての大型催事で、今回は例年よりも会場の面積を縮小したうえで、商品の陳列数量や什器、並びに販売員を半減して、会場のレイアウトや接客などを工夫して、新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じた新たな販売態勢で臨んでいる。品揃えでは、一番人気の「スーツ2着2万9800円」を、今回は特別に「2万7000円」で提供するほか、昨年好評だった「アクティブスーツ」の着数を1.5倍に増やすなど、新たな需要の開拓に留意している。

春夏シーズンの「銀座の男」市は、例年5月中旬に開催される。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初開催があやぶまれたものの、前年(5月16日~27日)よりも約3週間遅れで開催に漕ぎつけた。例年ならば8階イベントスクエアでは6月から中元ギフトセンターを設けているが、今年は開始日を6月16日に遅らせ、臨時休業で開催できなかった「銀座の男」市に切り替えた。

什器は通常の約2倍の約2メートルの間隔で配置

イベント会場の展開面積は3分の2程度に縮小。陳列什器の数を半減し、その間隔を通常より2倍以上の2メートル程度あけて配置した。自ずとスーツの陳列点数と会場ストックの数量は半減し、約6000着に抑えた。ストック場の陳列間隔も広くして従業員の安全にも配慮している。また、紳士靴やシャツ、ネクタイなど雑貨は、5階紳士フロアに特設会場を設けて展開している。

販売員も例年の約100名から約50名まで半減し、「これまでのようにお客様に積極的な声掛けをせずに、裾上げ時などのどうしても必要な接客販売に抑えた対応を心掛けている」(営業四部紳士課バイヤー粟竹将氏)という。

試着室もソーシャルディスタンスに配慮。例年は32台を用意しているが、半減の17台に減らして、顧客同士が対面しないように試着室の間隔をあけて配置。並ぶスペースには足元シールを貼付。承り場には飛沫防止シートを設置し、一台の間隔をあけて、一堂に承れる人数も半減して最大20名程度に抑えている。また、裾上げなどの修理による再来店を削減するため、修理せずに持ち帰る場合、500円を値引きする特典も取り入れた。会場内の顧客が100名程度まで増えると入場制限をかける。

承り場(上)と試着室(下)の台数も半数に減らし、間隔をあけて配置

品揃えでは、例年販売着数の6割超を占める目玉企画の「スーツ2着2万9800円」の価格を見直し、「2万7000円」に値下げした。税込で2万9700円になり、消費税相当の10%程度のオフ価格であり、コストパフォーマンスを高めた。当初は例年同様の価格で販売する予定だったが、急遽、変更した。「コロナ禍で経済活動が停滞している中で、価格でも訴求力を高める必要があると考えた」(粟竹氏)ためで、いわばコロナ禍の特別価格であり、取引先の理解を得て実現した。

昨年好評で、8割近い消化率だったアクティブスーツの数量を1.5倍に増やした。ポリエステル100%のストレッチ素材を使用し、ジャケットは肩パットや芯地を省いて軽量化し、パンツはウエストの後ろ部分にゴム製ギャザーを配するなど動きやすい仕様で、一般的なスーツと比べ、より快適な着心地を追求したスーツだ。ウール100%のスーツと組み合わせて「2着2万7000円」で購入できる。

この他、イタリア製生地で、高級ブランドのスーツを手掛ける現地の縫製工場を使用したメイド・イン・イタリアの5万9000円など、1着5万円台の高価格帯の品揃えも拡充している。

「銀座の男」市は14日までの12日間。売上げ目標よりも、「安全・安心を確保して、お客様に喜んでいただき、期待に応えていくことが一番の目標」(粟竹氏)だ。開催さえ危ぶまれていただけに、DMなど紙媒体による訴求をしていない。にもかかわらず3日の初日は、午前11時の開店直後から試着室の多くが利用されていた。