2026年02月09日

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「ミキハウス」の三起商行、初の社長交代 グローバル統括の竹田欣克氏が内定

6日の記者会見より、木村皓一社長(左)と竹田欣克取締役

子供服ブランド「ミキハウス」を手掛ける三起商行は6日、創業者の木村皓一社長(80歳)が代表権のある会長となり、竹田欣克取締役(51歳)が社長に昇格する人事を発表した。1971年の創業以来、社長交代は初めて。5月下旬に開催予定の定時株主総会並びに取締役会の決議を経て、6月1日付で就任する予定。

竹田氏は現在、グローバル事業部長として、世界17カ国・108店舗を統括し、グローバルレベルでのオムニチャネル戦略に取り組んでいる。

同日大阪市内のホテルで開催した記者会見の冒頭、木村社長は「創業以来55年間、社長を務めてきたが、ここ数年、そろそろ若い世代にバトンタッチしなければならないと考えていた。コロナ禍を乗り越え、海外でのブランド認知も確実に高まりつつある今が、バトンを渡すのに一番いいタイミングだと思った」と、社長交代に踏み切った理由を明かした。

竹田氏は「1988年に米国でミキハウスブランドを広めたい思いで入社した。(2001年9月に)米国に留学してMBAを取得して、そのまま米国に拠点を移しての市場開拓、そして欧州でのブランド展開を手掛けてきた。ミキハウスが世界ブランドとして着実に歩みを進める中、これからさらに50年、100年と世の中になくてはならない企業としてあり続けられるよう、社業の発展に邁進していきたい」と身の引き締まる思いを語った。

記者会見での一問一答の要旨は以下の通り。

ザ・リッツ・カールトン大阪にて、急きょ会見を開いた

――このタイミングで社長を交代し、竹田氏を指名した理由は何か。

木村社長「現状、ミキハウスの顧客は日本人が3割、外国籍の方が7割。国内も大事だが、これからはもっと海外に力を入れていかなければならない段階にきている。売上高ベースだと国内6割、海外4割だが、将来的には国内3割、海外7割が見えている。アメリカでの立ち上げを最初から担ってきたのが竹田で、今のスタイルでそのままいくのがいいと思った。考えていたグローバル戦略に目途がつき、今がすっきりと渡せるタイミングだった」

――木村社長から見た竹田氏の人物評は。

木村社長「どんなことにもポジティブに前向きに取り組む。入社してすぐに倉庫で商品の仕分けをしていた時も、とにかく前向きな会話をしていて先行きが面白いと思った。何にでも興味を持つ、まるで少年のようだった。今後も前向きに頑張ってくれると思う」

――海外の成長戦略はどのように取り組んでいかれるのか。

竹田取締役「既に主要都市のニューヨーク、パリ、ロンドン、シンガポールには進出しているが、これからは見せる市場に加えて売っていく市場も大事。アメリカでも行ってきたが、eコマースで市場分析した結果を生かしながら、実際に現地の状況も見て積極的に出店をしていきたい」

「日本のインバウンドが多い東南アジアはポテンシャルが高いエリア。それとヨーロッパの店舗に多く来店されているアラブ諸国(中東)のお客様、西海岸を含めたアメリカ圏が成長戦略の要のエリアになると思う。さらに今後はモロッコなどアフリカ、あるいはブラジルなど南米も面白くなってくる市場だと捉えている」

――実際にアメリカで生活され、これまでの海外経験をどのように生かしていかれるのか。

竹田取締役「日本と異なる文化圏の中で、ビジネスと生活を通じてコミュニケーション能力が培われてきたと思う。それと人間関係を大事にしてきた。留学する時に木村社長から『勉強はええねん。人間関係が大事やで』と言われた。その時は『えっ?』と思ったが、アメリカでビジネスを起こして、海外のビジネスパートナーやお客様とお付き合いをしていく中で、人間関係こそビジネスの礎になると実感した。今後も人間関係を大事にしていくことがグローバル戦略の糧になってくると思っている」

「それと海外経験が長いからこそ、ミキハウスブランドのポテンシャルが高いと感じている。日本へのインバウンドが増えてきた頃から、海外で日本ブランドが重宝されるようになってきた。ミキハウスブランドに対する関心や興味が高まってきたと感じている。ただ、今後は海外での認知度をもっと高めていかなければならないとも感じている」

――55年を振り返って思うところは。

木村社長「日本のものづくりは素晴らしいと思い、この素晴らしい日本の職人の技を世界中の人々に知っていただきたい思いでやってきた。それが今、88カ国のお客様に使っていただけるようになってきた。引き続き日本のものづくりの素晴らしさを広めていきたいと考えている」

――木村社長は人材の採用や育成に関して持論を持っておられる方だと思うが。

木村社長「採用は、日本人と外国籍の方が半々になっている。それは社内に上手くコミュニケーションがとれる土壌が整ってきたからだと思う。『ミキハウスファミリー』として、国境を越えて楽しく仕事をしている独自の企業文化を今後も引き継いでいって欲しいと思っている」

「採用では、馬が合いそうな人を探し、一緒に仕事をして楽しいかどうか。それにコミュニケーションを上手くとれるか。マイナス思考がないか。一般論でものを考えないことを基準にしている。ですから大阪に変な会社が1社あってもいいとちがうか、と思っている」

竹田欣克(たけだ・よしかつ)氏略歴

1974年8月生まれ、51歳。石川県出身。

1998年3月東京大学法学部卒、4月三起商行入社

2001年9月ボストン大学経営大学院留学

2003年5月MBA及びMS取得

2004年4月ミキハウス・ニューヨーク駐在員事務所開設(所長)

2011年6月ミキハウス・アメリカズ設立(社長就任)

2020年1月ミキハウス・英国社長兼務

2025年6月三起商行取締役グローバル事業部長