2024年10月13日

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オンワードHD、23年度はHD発足後の最高益へ

全ての段階で大幅な増益を実現した

オンワードホールディングスの2023年度(23年3月~24年2月)の連結決算は、売上高が前期比7.7%増の1896億円、営業利益が2.2倍の113億円、経常利益が1.9倍の101億円、最終利益が2.2倍の66億円で増収増益だった。「23区」「ペットパラダイス」など主力ブランドが好調に推移し、「UNFILO」など新規ブランドも伸長した。営業利益の113億円は、2007年9月にホールディングスを発足して以降通期での最高益となる。

決算発表会で説明する保元道宣社長

国内事業は、アパレルが売上高1402億6700万円(8.3%増)、ライフスタイルが397億9100万円(4.9%増)となり、どちらも営業利益が2桁増だった。海外事業は15.5%増の199億2700万円だったが、営業損益が2億1100万円の損失だった。ただし、前期に比べて9億円改善している。販路別では、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の解除によって経済活動が正常化し、百貨店やSCなどのリアル販路が7.3%増収した。

保元道宣社長は23年度を振り返り、「顧客本位の商品開発、販売サービスの強化に注力してきた」と語る。とりわけ「機能美」をうたった独自性の高い商品開発が特長のUNFILOは売上高が1.9倍にまで伸長した。そのほか中核ブランドの23区が15.5%増、「チャコット・コスメティクス」が34.7%増、ペットパラダイスが17.2%増だった。

OMOサービス「クリック&トライ」は引き続き好調で、導入店舗は前期末から57店増の全397店となった。サービス導入店舗(既存)の売上高はコロナ禍前の19年度比で116%となり、未導入店舗の同91%より25ポイント高い。クリック&トライが利用できるブランド複合店舗「オンワード・クローゼットセレクト(OCS)」も前期比で130%を記録し、OCS以外の店舗の108%より22ポイント上回っている。

24年度は、国内事業が堅調に推移し、海外事業もヨーロッパ地域を中心に改善すると予想し、売上高2000億円(5.5%増)、営業利益125億円(11.0%層)、経常利益120億円(18.5%増)、当期純利益80億円(21.0%増)を見込む。

オンワードホールディングスが掲げる中長期経営計画「ONWARD VISION 2030」では30年度に売上高3000億円、営業利益250億円を目標に掲げており、それに向けて国内事業の成長を加速させ、海外事業の基盤を固めていく方針だ。保元社長は「よく『マーケットの二極化』と言われているが、我々は“多極化・多様化”と捉えている。(低価格と高価格の)中間のマーケットにも勝機はあり、チャレンジしていく」と意気込んだ。

(都築いづみ)