2024年07月20日

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駅中心地区のラストピース「渋谷サクラステージ」竣工 東急不動産星野社長、開発の歩みとこれからを語る

100年に1度の再開発で、2023年11月30日に竣工した「Shibuya Sakura Stage」

東急グループは先ごろ、渋谷最大級の次世代ランドマークとなる「Shibuya Sakura Stage」(以下、渋谷サクラステージ)の記者発表・内覧会を開いた。11月30日の竣工に当たり、東急不動産代表取締役社長の星野浩明氏が「桜丘エリアにおける開発の歩みとこれからについて」を以下のように語った。


東急不動産代表取締役社長の星野氏

東急グループは創業の地である渋谷で、多様なカルチャーを継承して発展させていくというまちづくりに当たり、特に駅中心地区においては100年に1度といわれる大規模な再開発を進めてきました。新しいビジネスの創出や様々なエンターテインメントの集積、また、世界の人々が常に集えるような街を目指して5つの街区で構成されている渋谷駅中心地区では、2012年に「渋谷ヒカリエ」、18年に「渋谷ストリーム」、19年に「渋谷スクランブルスクエア」の第1期と、「渋谷フクラス」が完成し、4つの街区のプロジェクトが進行。そして「渋谷サクラステージ」が竣工する桜丘エリアが駅周辺5街区で最後のエリアとなります。

従前の桜丘エリアはJR線と国道246号によって東西方向、南北方向ともに周辺と分断されていました。渋谷のまちの特徴である谷の地形になっているので、駅と周辺の市街地をつなぐ歩行者ネットワークが脆弱の状態であったし、細い街路や小規模敷地が多く、その有効活用が課題となっていました。また、非耐火建築物が密集している上、建物自体の老朽化も進んでいたことから、大規模な街区の再編や都市としての防災性の向上、安心安全なまちづくりが必須とされてきました。

そして地元の有志の方々の間でまちづくりの検討が始まり、1998年10月に旧再開発準備組合が設立され、それから25年の歳月を経て、120人からなる多くの地権者の想いを紡ぎ、その想いを形にしてきました。私ども地権者や関係者の皆様と、将来の桜丘のまちをいかに楽しく魅力的にしていくか、桜丘のまちづくりの理念について議論を重ね、地権者以外にも本プロジェクトのエリアにある桜丘町会、商店会、渋谷区をはじめとした行政区各所など、多くの関係者とも合意の形成を図って事業を推進してきました。

数えますと、旧準備組合設立から20年の2018年10月の権利変換計画の認可を経て建物を解体し、19年5月より新築工事に着工。そしていよいよ100年に1度といわれる渋谷再開発で、渋谷駅中心地区のラストピースとなる渋谷サクラステージが23年11月30日竣工となりました。

渋谷サクラステージができたことで、地形の高低差、鉄道と国道246号による分断が解消される

これにより渋谷の特徴である谷地形を克服する大規模な基盤整備が実行され、地元の方々にとって悲願であったまちの分断が解消されることになります。新たな駅舎と歩行者通路が新設されることによって「渋谷ストリーム」との接続が実現し、鉄道による分断が解消されますし、渋谷駅や渋谷フクラス方面との接続が実現して国道246号による分断を解消するデッキが新設されました。

2・3階レベルで、A街区の「SHIBUYAサイド」とB街区の「SAKURAサイド」をそれぞれつないで、都市画通路(補助線街路第18号線)の上を安全に横断できるデッキを2本通す形で完成します。桜丘地区は渋谷の特徴である谷地形がみられ、高低差のある起伏に富んだ地形でした。これについては縦軸動線であるアーバンコアを整備して、地下から地上をつなぐ縦移動とともに屋内と屋外を多層的につなぎ、渋谷のまちに人を繰り出し、街の回遊性を高めていくことになります。

渋谷サクラステージは、1万人規模のワーカーが働く規模のオフィス、渋谷駅中心地区で唯一となる住宅機能、新たな体験を生み出す商業施設。それとともに、ワーカーや周辺居住者、来街者のサポート機能となるサービスアパートメント、医療施設、起業支援施設に加え、今まで駅周辺になかった緑豊かな憩いの広場や賑わいの広場といった施設を設けました。

これにより渋谷の良さである多様性のさらなる強化を図り、あらゆる人が訪れ、活躍できる新たなまちのステージとして、渋谷の新しいランドマークとなることを目指しています。それぞれの機能が有機的に連携して渋谷のまちに染み出していくことで、今まで渋谷で培われてきた多様なカルチャーを承継して増幅していく。まさにまちが一致団結して、まちに賑わいをもたらす仕掛けづくりにチャレンジしていくことになります。

渋谷駅中心地区で唯一整備される住宅「ブランズ渋谷桜丘」

メディアの報道などでは若者が集まる流行の最先端のまちとして取り上げられますが、実際には様々な属性の人々が広く集まるダイバーシティのまちでもあり、渋谷のまちにいると自分の感性が刺激され、ほかの場所では湧いてこないようなアイデアがひらめく、そんなまちが渋谷の一番の魅力ではないかと思っている。

ハード面では大規模再開発によって渋谷の課題解決を進めるのと並行して、ソフト面においても仕掛けていきます。文化創造という渋谷ならではの強みを発揮していくことでもっと発信力を高め、今よりもたくさんの人をお呼びできるまちにしていければと感じています。

渋谷はすでにゲーム、音楽、ITなど、日本を代表するコンテンツ、クリエイティブ産業が集積しています。そのアドバンテージを生かして次世代のクリエイターやアーティストが集う・交流するようなクリエーション拠点の場づくり、最先端の通信網の整備といった様々な仕掛けや医療支援施設からサウナまで、渋谷に関わる人やコミュニティが混ざり合う、そういったソフト面の仕組みも整備しています。

多様性のある感性の高い人々が渋谷に集まってきて、優れたカルチャーやコンテンツ、ビジネスが生まれるという好循環が渋谷サクラステージの竣工をきっかけに、さらに加速してまいります。我々はハードとソフトの両輪で開発に当たり、産業育成や都市観光のクオリティを向上させます。さらにはDXの要素を取り込んで渋谷のまちの力と魅力を高めて、東京全体が都市としての国際的プレゼンスが高まり、渋谷発展が日本経済成長の一翼を担うことを目指したいと考えております。

(塚井明彦)