2024年05月30日

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日清オイリオ、4年ぶりの「横浜磯子まつり」 地域と共に38回

当日は快晴に恵まれ、開場とともに多くの人達がグラウンドに入場した

日清オイリオグループは10月28日、4年ぶりに「第38回日清オイリオ横浜磯子まつり」(以下、磯子まつり)を開催した。会場は生産拠点である横浜磯子事業場(以下、磯子事業場)。同社や磯子区商店街などによる商品販売、磯子区の消防署や警察署による展示や体験、横浜F・マリノスのサッカー教室、子供にも親にも人気の戦隊ヒーローショーなど、バラエティに富んだ催しを実施。毎回好評の食用油講座も行った。秋晴れとなった当日は、約3000人の来場者で賑わい、待望のイベント復活にふさわしい1日となった。

磯子まつりは1982年にスタートした。広報IR部広報課の福田勝氏(以下、福田氏)は「日頃から近隣の住人の方々には当社の事業にご理解をいただき、磯子区の行政や警察、消防の方々にも工場運営にご協力いただいている。そうしたことへの感謝の意味を込めて、イベントを始めた」と話す。

広大な敷地を有する日清オイリオグループの「横浜磯子事業場」

磯子事業場は、敷地面積約23万3100㎡を誇る国内最大級の製油工場だ。同社の植物油脂研究・開発の拠点でもある。工場は24時間稼働し、トラックの出入りも多い。そうした中で同社が最も懸念するのが、油の製造過程で発生する「大豆のにおい」。油の原料である大豆や菜種に熱を加えた際、大豆特有のにおいが出る。油の生成には必須の工程で「油をつくる工場として避けては通れない」(福田氏)ものの、海からの風で、においが内陸に運ばれることも多いという。

こうしたことに理解を示し、協力してくれる近隣住民に感謝を伝えたい――。地域の行政や商店街の人達とのコミュニケーションを深める機会創出も目指した。コロナ禍以前の来場者は、例年1万2000~3000人(4月に2日間の開催)で、約3割は磯子区の住民、それ以外の約8割は金沢区や港南区など横浜市内の住民。あくまでも「地域のイベント」を基軸に、告知も地域のフリー情報誌や新聞の折り込みチラシ、バスの中吊り広告などローカルな媒体を利用する。

ショッピングゾーンでは、商品を買い求める人達で早くも長蛇の列

メイン会場のグラウンドには、同社はじめグループ会社で食品の卸業をする日清商事・ピエトロ、そのほかチョコレートや業務用洗剤、飲料を販売する企業が出店。磯子区の商店街連合会も、鶏の唐揚げや焼き鳥、駄菓子などの販売に加え、子供が楽しめるゲームも実施する。

磯子消防署による「防災コーナー」では、消防隊員の服を着て消防車に乗れる

磯子区の警察署や消防署もブースを構える。パトカーや白バイに乗れたり、起震車での地震体験や消防車に乗れたりと、絶好の撮影スポットだ。福田氏は「出店してくれる方々はとても協力的で、依頼にも快い返事をいただいている」とし、「警察や消防は区民と接する機会がありそうで実はそれほどでもないそう。自分達のブースを出すことによって、区民と触れ合えるのを貴重だと思ってくれている」と、良好な関係を語る。

子供達だけでなく親達からも熱い視線を集める「王様戦隊キングオージャーショー」

同社がトップパートナー契約を結ぶサッカーJリーグクラブの横浜F・マリノスによる「親子ふれあいサッカー教室」や、毎回高い人気を誇る戦隊ヒーローのショーと握手会も実施。老若男女が楽しめる企画を揃え、会場は賑わいをみせた。

毎回好評の「オリーブオイル講座」では、受講者達の高い関心度がうかがえる

同社ならではの食用油講座は、目玉のコンテンツだ。今年は「オリーブオイル講座」と初開講の「MCTオイル講座」。抽選に当たった人を対象に、それぞれ約30分の座学を各2回開く。根強い人気のオリーブオイル講座では、オリーブオイルの歴史やテイスティングのポイントなどが学べる。

MCTオイル講座は、今年初めての試み。磯子事業場内の中央研究所でMCTオイルを研究する社員が講師を務める。「油とは何か」に始まり、脂肪酸の種類やMCTの特長、推奨メニューなどをレクチャーした。MCTとは、飽和脂肪酸の中にある中鎖脂肪酸のこと。母乳の脂肪分にも含まれ、1960年代より医療用としても使用されている人体に安心安全な油成分だ。摂取後に体内ですばやく分解されるため消化、吸収がされやすく、同社の「日清キャノーラ油」や「日清アマニ油」など一般的な植物オイルに含まれるLCT(長鎖脂肪酸)と比べて4~5倍早くエネルギーとなる。

初開講の「MCTオイル講座」。健康志向も追い風に、多くの人達が集まった

同社の「MCTオイル」は、MCTオイルとしては21年7月に日本で初めて機能性表示食品となった。BMIが高めの人が1日2g(中鎖脂肪酸として1.6g)を継続して摂取すると、体脂肪や内臓脂肪、ウエストサイズの減少が確認された。無味無臭で、料理の味が変わらないことも特長。講師が「揚げたり炒めたりせず、生食用途での使用」に言及すると、あらためて理解した様子で頷く受講者も見られた。

受講した親子は「面白そうだったので抽選に並んだ。ダイエットに良いかと以前からMCTオイルを使っていたが、今日の話を聞いてMCTの意味がわかった」と満足げな表情。高校生の娘が最近料理を始めたことも、受講のきっかけとなったようだ。母親は「磯子まつりには何回も来ている。(4年ぶりで)待ちに待っていた」と笑みを浮かべた。

磯子まつりは毎年4月下旬に実施してきた。今年も同時期を検討していたが、コロナウイルスの5類感染症移行の措置がゴールデンウィーク明けだったため「お客様に安心感を持って来てほしい」(福田氏)と、開催を見送った。一方で、地域住民からは「いつ開催するのか」「今年はやらないのか」という問い合わせが多く寄せられた。6月は暑い時期に入るため「今年は1日のみで、秋開催をやってみよう」と、気候が落ち着く10月に企画した。

本館棟1階の「ウェルネスギャラリー」には、日清オイリオの商品がずらり。油の種類や工場の紹介も見られる

「毎年楽しみにしてくれる人が増えてきたということは、我々の事業活動に一定の理解を得られているのではないか」と、福田氏は実感を口にする。磯子まつりは、2021年に掲げた同社の長期ビジョン「日清オイリオグループ2030」のもと、「サステナビリティ活動」の一環として続ける「社会貢献活動」の1つでもある。磯子事業場では夏休みに合わせて食用油について学べる工場見学も行っており、今年は磯子まつりと同じく4年ぶりに実現した。

今後について福田氏は「これまでと変わらない」とした上で、「これからも地域住民の方々との良い関係性を維持していきたい。磯子区の行政とも良いコミュニケーションを取り続けていきたい」と決意を語る。日清オイリオが目指すサステナビリティの実現は、「これまでも」「これからも」地域の人達と共にある。

(中林桂子)

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