2024年05月05日

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三陽商会、軽さと上質感が両立した「100年コート 粋SUI」

軽い本格トレンチコートを求め、中を空洞にした中空糸を織り交ぜた生地を独自に開発した

三陽商会は「100年コート」で、軽量化したトレンチコート「100年コート 粋SUI」を3月1日に発売する。同シリーズの既存品より、約3割軽い生地を使用する。メンズとウィメンズで各1型展開し、価格はそれぞれ17万6000円、16万5000円。

100年コートは「世代を超えて永く愛されるコート」をテーマに、同社のものづくりへのこだわりを結集させている。今回発売する100年コート 粋SUIは、本格トレンチコートのクオリティを保ちつつ、軽さを追求した新モデルとなる。

生地の横糸に中を空洞にした中空糸を使用し、既存の100年コートの生地から約30%軽量化した。しなやかな超長綿の縦糸と織り交ぜ、高密度に織り上げることで、軽さと上質感を両立させている。

設計でも軽快さを追求し、コートの襟首が頚椎(けいつい)に乗り、重心を肩ではなく体幹に沿って支えられるようにした。このため、着用時に重さを感じにくい。

デザインは、2022年に発表した最高峰モデル「100年コート 極KIWAMI」をベースに、着丈は長く、身頃や袖はゆとりを持たせ、クラシックかつモダンなシルエットバランスにした。着用時のドレープ感にもこだわった自然なAラインのシルエットで、優美さを表現している。

縫製にもこだわった。肩から裾にかけてゆがみやよどみがなく、整然と生地が落ちるシルエットを理想に掲げ、「引き縫い」という技術を用いて縫製する。引き縫いとは、ミシンを掛ける際に布が糸に引っ張られることによる縫い縮みを見込んで、生地を両手で前後に引っ張りながらミシンを掛ける技術。

襟部分の内側は、カーブに合わせて手作業のまつり縫いで縫製。ミシンでの縫製よりも襟が首になじみ、襟を立てたときに端正なシルエットとなるように仕上げている。

着脱できるライナーの上部には、自然な暖かさが特徴の「光電子」繊維を均一に練り込んだ中綿を採用。肌から出された遠赤外線を、光電子繊維に含まれた微粒子セラミックスが吸収し、効率よく自らの身体に戻す輻射(ふくしゃ)を繰り返すことで、自然な暖かさが持続する。

生産は、自社工場「サンヨーソーイング 青森ファクトリー」で、縫製からプレスまで各工程で最適な手仕事を施して仕上げる。