2024年05月04日

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松屋、バレンタインで「リアルの楽しさ」追求

銀座店には全81ブランドが集結する

松屋銀座店は今年のバレンタインで、リアル店舗ならではの付加価値を強化する。酒やコーヒー、日本茶との組み合わせを楽しめるイートインや、実演販売のコーナーを充実。今年は行動制限がないことから来店客数の増加を見込み、目標は前年比1割増に設定した。

店頭催事「GINZA バレンタインワールド」は2月1~14日の14日間、8階の催事場「イベントスクエア」で開催。昨年より9ブランド増やし、全81ブランドを集積する。ECサイト「松屋オンラインストア」では1月4日~2月5日の約1カ月間展開する。

担当者は「昨年の売上げは、店頭とECサイトで9対1だった。ECサイトも成長しているが、やはり当社は店頭が強み。人の往来が戻っていることで、売上げの伸長が期待できる」と語る。店頭の魅力を高めるべく、イートイン・実演販売を昨年に対して4ブランド増やし、全11ブランドを展開する。

バーとのコラボコーナーでは、うち2店が百貨店初登場となる

銀座で人気のバーとコラボした「チョコ×お酒のマリアージュBAR」は「SUKIYABASHI SAMBOA」、「バー・ガスライトEVE」、「Bar Noa Ginza」、「Bar 木挽町」の4店が入れ替わりで登場。合わせるチョコレートは、ショコラティエとして活躍する須藤銀雅氏がプロデュースした。コーヒー豆を漬け込んだウイスキーをベースにしたカクテルと、ヘーゼルナッツトリュフチョコのセット(1650円)など、バーならではのメニューを提案する。

同企画は昨年に初めて開催し、今年で2年目となる。昨年は連日行列ができるほどの人気で、担当者は「今年も多くの方に楽しんで頂きたい」と意気込む。

コーヒーや緑茶と組み合わせたコーナーも設ける

カフェとコラボした「スペシャル ショコラ CAFE」では、自家焙煎のコーヒーと自家製のチョコレートを製造販売する「蕪木」のショコラショー(飲むチョコレート)を楽しめる。日本茶とデザートの専門店「ヴェール」も登場し、「アエランチョコレート」のココナッツショコラと、日本屈指の甜茶農家・辻喜代治氏が手掛ける抹茶を使った「日本茶のフォンダンショコラ」(2501円)などを提供する。

実演販売・イートインコーナーでは他にも、「浪漫須貯古齢糖」、「レナーズ」、「カカオサンパカ」、「江戸久寿餅」、「ショコラティエ パレドオール」が登場。イタリアで25年以上行われているチョコレートの祭典「ユーロチョコレート」も2年振りに開催し、ヨーロッパの様々なチョコレートを販売する。

さらに会場では、日本のパティシエと食材にフォーカスした「気鋭の日本人パティシエ×国産食材」、環境や社会に寄り添う商品を集めた「サステナビリティの追求」なども企画。バレンタインの多様な楽しみ方を提案する。

最近は物価高の影響で家計を引き締める傾向があるものの、「生活に必要なものは節約するが、自分の楽しみのためには出費を惜しまない『消費の二極化』が進んでいる。バレンタインを後者とする人は少なくないだろう」(担当者)とにらむ。実際、松屋オンラインストアは4~5日の売上げが前年比2倍となり、需要の旺盛さが伺える。今年は逆風を跳ね返す、活気あるバレンタインになりそうだ。

(都築いづみ)