2024年05月03日

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オーロラ、「ビューランス」をリブランディング 20~30代に照準

ブランドの“ルーツ”である帽子から洋品、傘へとラインナップを拡充してきたが、品揃えが売れ筋に偏ったり、デザインの方向性がぶれたり、課題を抱えていたという

オーロラは、オリジナルブランドの「Beaurance(ビューランス)」を再構築する。天然素材やデザインのかわいらしさ、格好良さなどが40~50代を中心に支持されてきたが、20~30代に照準を合わせ、色柄やデザインなどを一新。客層の若返りにつなげる。新生ビューランスの販売開始は来年3月を予定する。

ビューランスはグログランリボンを施した天然素材の帽子が人気で、昨年は高い遮熱および遮光性を有する東レの「サマーシールド」を初めて採用した傘が大ヒットするなど、販売が不振だったわけではない。

ただ、「約20年前に帽子でスタートし、徐々にネックウェア、傘へと幅を広げてきたが、最近はアイテムごとに品揃えが売れ筋に偏ったり、デザインの方向性がぶれたりしていた」(森大樹商品統括部ブランドマーケティング第一部MD兼海外統括室)と判断。リブランディングを決めた。

リブランディングに際しては、メインターゲットを20~30代に設定。そのニーズを追求する。各デザイナーには「(テイストが)甘くなり過ぎない、引き算のデザイン」(森氏)を求めた。

こうしたてこ入れをベースに、「時代に合わせて変化する魅力的な女性に」をコンセプトに掲げた。同社によれば「新しいモノやコトにアンテナを張り、アップデートするのが上手なバランス感覚のいい女性たちにさりげない“素敵”を。世の中が大きく変化する中で、話題のものも取り込みながら、自分の芯をぶれずに持っている自立した女性を目指して。そんな彼女たちの“好き”をアップデートするアイテムを届けたい」という。

再スタートを切る23年春夏企画のコンセプトは「Live and let live」。同社は「自分も生き、人も生かす。人にはそれぞれの生き方があり お互いに干渉せずにうまくやっていく 自由に生きろ、自由に生かそう」という想いを込めた。キーカラーには「永遠の黒」、「晴れる前の曇り」、「チョコレート」、「ハート(愛情)のピンク」、「森のカーキ」、「ミルクティー」、「ジンジャー」、「サンド(砂)」、「ホワイトマッシュルーム」、「まっすぐな白・無垢白」を採用した。

商品は主に日傘、帽子、洋品で構成。構成比は日傘が約5割、帽子が約4割、洋品が約1割で、オリジナルで書き下ろしたチーターと仲間達による動植物柄を、アイテムを横断して用いる。

意匠性の高さが目を惹く日傘

日傘は「波型レースやストライプリボン、アーティスティックなカットワークなど加工の幅が広く、手元の種類も増やし、全てにサマーシールドLⅡ &+(アンドプラス)を使用」(同社)。帽子はペーパーブレードのバリエーションを充実させ、布帛(ふはく)はコーディネートしやすいシンプルなデザインを、地球環境に配慮した素材で提案する。洋品では、通し穴が付いた新しい形状のスカーフをラインナップ。生地を通すだけで、簡単に形を整えられる。ストールには、大判を投入。巻き方のアレンジが自在だ。

来年3月の発売に際しては、雑誌「Oggi」と初めてタイアップ。主要販路である百貨店には販促やイベントに適したビューランス専用の什器も提供するなど、露出を増やして拡販を狙う。

(野間智朗)