2024年12月02日

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遠鉄百貨店、“赤電”で恵方巻やチョコレートを配送

コロナ禍で始めた遠鉄タクシーによる宅配が好評で、鉄道にも広げた

“赤電”が恵方巻やチョコレートを届けます――。遠鉄百貨店は、インターネット通販サイトで取り扱う約50種類の恵方巻と約300種類のチョコレートを、赤電の愛称で知られる遠州鉄道で運び、遠州西ヶ崎駅で客に渡すサービスを始めた。「忙しくて店舗に行けない」、「コロナ禍で外出しづらい」といった声に対応。恵方巻やチョコレートの潜在需要を取り込む。1月28日時点で、ともに注文が10件以上にのぼるなど好評だ。

新たなサービスは実証実験と位置付け、期間限定で行う。ネット通販サイトに専用のページを設け、恵方巻は1月31日の午後4時までに注文すると2月3日に、チョコレートは2月7日の午後4時までに注文すると同10日に、同8日の午後4時までに注文すると同11日に、それぞれ遠州西ヶ崎駅の鉄道営業所で受け取れる。駐車場は4台分を確保した。時間は午前11時~午後5時で指定が可能。配送料は1回の注文につき10個までが300円、以降は10個ごとに200円が加算される。

赤電での宅配を決めた背景には、コロナ禍で導入した遠鉄タクシーによる宅配の活況がある。運賃のみが上乗せされるため、近隣であれば「ウーバーイーツ」などよりも割安で、昨年のクリスマスには数十件の注文が寄せられた。

ただ、課題もある。運賃が高い遠方の客だ。例えば店舗から遠州西ヶ崎駅周辺までは約10キロメートルの距離で、運賃は3000~4000円。高額品を運んでもらうならともかく、食品などを購入するには割高感がある。

そこで、遠州鉄道と協業。乗車券とほぼ同じ料金で、恵方巻やチョコレートを受け取れるようにした。遠州西ヶ崎駅を選んだのは、交通のハブを担う利便性が高い駅であるとともに、複数の駅員が常駐する鉄道営業所が隣接するからだ。無人や駅員が1人の駅では、客への引き渡しが難しい。

遠鉄百貨店は「恵方巻やチョコレートは毎年売れ行きが良い上、斜めにしたら形が崩れるクリスマスケーキなどと違い、運搬のリスクも小さい。まずは需要やオペレーションを検証し、今後に繋げたい」という。