2026年10月09日

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高島屋、スーツを再生したカジュアルウェアを発売

日本橋店の期間限定ショップ

高島屋は7日、東谷商店や三田紡績、御幸毛織、城東テクノ、京都工芸繊維大学と組み、客から回収したスーツを生地などに再生して用いたブルゾンやパンツなどを発売した。同社は循環型社会の実現を目指して2021年6月から「Depart de Loop(デパート デ ループ)」を展開しており、その一環だ。これまでにポリエステルやデニム、カシミヤ、化粧品、クレヨン、羽毛ふとんなどを再生しており、さらに幅を広げた。16~18日には、初めてプラスチック製のおもちゃを回収。来年の秋を目途に再生した雑貨を販売する方針だ。

高島屋はデパート デ ループでデニムやカシミヤなどを客から回収してきたが、昨年4月にスーツを追加。その総量は約3200kgに上った。米島力伊MD本部紳士服・紳士雑貨・スポーツ部バイヤーは「ビジネスシーンの変化に伴い、スーツを着用する人が減っている。24年に計画し、昨年から『休眠スーツ』(=着用されず、クローゼットなどに眠るスーツ)を回収。分別と裁断を経て綿に戻し、糸を作り、計1年以上を費やして再生生地が完成した。スーツはTシャツと異なり、パーツが多い。手間や時間がかかり、スーツの再生は難しいといわれてきたが、協業でクリアできた」と経緯を説明する。

奥村歩武MD本部紳士服・紳士雑貨・スポーツ部バイヤーは米島氏に同調するとともに、百貨店の強みに言及した。「当社は年間数万着のスーツを販売している。再生はハードルが高いといわれてきたが、協業で実現できた。お客様からスーツを回収し、(生まれ変わった姿を)また見てもらえるのは百貨店ならでは」

協業では東谷商店が回収や選別、裁断、反毛を、三田紡績が紡績を、御幸毛織が製織を、それぞれ担当した。スーツをカジュアルウェアに生まれ変わらせたのは「今のライフシーンに適している」(米島氏)からだ。

スーツの芯地や肩パッドなど生地化が難しい部分については、京都工芸繊維大学や城東テクノと連携し、破砕した上で樹脂と混ぜてペレットを開発。3Dプリンターで成形し、ディスプレイ用の什器やハンガーを作った。特徴的なデザインで、米島氏は「(売場での什器としての使用に限らず)将来の可能性も示せた」と力を込める。

3Dプリンターを活用し、什器も作った。軽量性とデザイン性に優れる

「TRANSFORM YOUR SUITS」と題し、期間限定のショップを日本橋店(7~13日、本館6階特設会場)と新宿店(21~27日、4階特設会場)に構えるほか、一部の商品は玉川店や横浜店、大阪店、京都店でも販売する。

ラインナップは「カモ」「バルスター」「ブジガヒル」のブルゾン(11万9900円~15万4000円)、「ベルウィッチ」「ジャブス アルキヴィオ」のパンツ(4万2900円、4万4000円)、「タカシマヤ スタイルオーダーサロン」で受け付けるオーダーメイドのシャツジャケット(6万3635円)、パンツ(3万4265円)、コート(9万6635円)の8種類。生地は全て毛100%で、回収したスーツに由来する原料の比率は約17%だ。

スーツの次は、おもちゃだ。玉川店の本館5階特設会場で16~18日、入会費や年会費が無料のサービス「タカシマヤ キッズクラブ」の会員を対象に、ブロックやプラモデルなどプラスチック製のおもちゃを回収する。総量が300g以上で1点に換算し、1人当たり5点まで受け付ける。1点につき1枚、対象売場で11月30日まで使える500円分の「タカシマヤアプリクーポン」を配布。1人当たり最大5枚で、5000円の買上げで1枚使える。

デパートデループがスタートして5年余り経過したが、主導してきた橋祐介MD本部化粧品・特選・宝飾品部バイヤーは「リユースが必要」と次の一手を示唆する。「本来はリデュース、リユース、リサイクルの順番だ。現状ではリユースが足りていない。構想段階だが、手を入れたい」と橋氏。デパートデループは、なお発展途上だ。

(野間智朗)