三陽商会、上期は減収減益も通期予想は据え置き
9月の売上高は前年同期比11%増で、下期は好調な滑り出しとなった
三陽商会の2027年2月期中間決算(26年3~8月)は、売上高が前年同期比4.0%減の259億5300万円、営業損益が4億9900万円の赤字(前年同期は2億1300万円の赤字)となった。純損益は5億5500万円の赤字(前年同期は2億9900万円の赤字)だった。中高級品市場の低迷に加え、6月の天候不順によって春夏物が苦戦した。
6月は悪天候で苦戦も、7月以降は回復傾向に
第1四半期(3~5月)は春夏物の立ち上がりがおおむね順調に推移し、インバウンドの回復も手伝い、売上高は前年同期比1%増となった。ただし、前期末に拡大した在庫の処分を進めたことでプロパー(正価)販売比率が低下し、売上総利益率(粗利率)は前年より悪化した。
6月は雨が多く、春夏物のプロパー販売が低迷。6月の全社売上高は前年同月比10%減となった。7、8月は過度な値引きやポイント付与を抑え、プロパー販売の徹底を強化。売上高自体は前年を下回った(9%減)ものの、売上総利益率は7月に前年同期比2.3ポイント、8月には4.1ポイント改善した。
一方、上期の売上総利益率は60.4%と前年同期を0.2ポイント下回った。販売費及び一般管理費は4億1600万円減の161億7100万円まで抑制したが、売上高の減少による粗利益の落ち込みを補えなかった。
通期業績予想は据え置き、売上高600億円、営業利益21億円、経常利益20億円、純利益40億2000万円を見込む。下期は売上高340億5000万円、営業利益26億円を計画。据え置きの根拠となるのが9月の販売回復だ。売上高は前年同月比11%増となり、プロパーの売上高も前年を大きく上回った。
平林義規社長は、「値引きやポイント付与を抑制する一方、商品の価値と価格の見直しや販売現場からの商品企画へのフィードバックなどを進めてきた」と説明。「プロパー販売が7月、8月と改善に向かう傾向が確認でき、9月にはより明確になった。下期の計画はかなり厳しいが、蓋然性はあると考えており、全社一丸となって達成する」と意気込みを示した。
富裕層向けの高付加価値商品群「Japan Luxury」を立ち上げ
とはいえ消費の二極化が進み、同社が主要顧客層と位置付ける「アッパーミドル層(裕福な中間層)」にも二極化の傾向が表れてきた。また、百貨店の閉店などによる売場の減少も進んでいる。そこで同社は、ラグジュアリー市場への参入や販路の多角化によって、環境の変化へと対応する方針を掲げた。
ラグジュアリー市場に向けては、「サンヨーコート」「青森ダウン」「福島ジャケット」などの高付加価値商品群を、「Japan Luxury」として打ち出す。国内では百貨店外商を通じて、海外には輸出によって拡販を目指す。
販路の多角化としては、今秋にローンチした新ブランド「AUREME(オーレム)」の、直営店やファッションビルへの出店を強化する。現在旗艦店を持たない「マッキントッシュ ロンドン」などの旗艦店オープンも検討している。SCなどの商業施設向けブランド複合ショップ「サンヨー・スタイルストア プラス」も出店を増やしていく考えだ。
(都築いづみ)