松屋の冷凍食品「ギンザフローズングルメ」が「家庭画報」とコラボ
左端が松屋銀座本店食品部冷凍食品事業責任者の今井克俊氏、右端が家庭画報の平澤香苗編集長
松屋が展開する冷凍食品ブランド「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザフローズングルメ)」が、雑誌「家庭画報」とコラボレーションした商品を発売した。家庭画報が来年創刊70周年を迎えることを記念した企画で、銀座の飲食店の味を家庭で楽しめる2つのセットを数量限定で用意した。松屋銀座店の売場と、家庭画報のECサイトで取り扱う。両者のネットワークや顧客基盤を掛け合わせた相乗効果を狙う。
ギンザフローズングルメは銀座の名店や人気のレストラン・パティスリーと組んだラインナップが特長で、2022年夏にスタートした。店頭販売に加えて高級スーパー「明治屋」への卸売も行っており、卸先は現在15店舗。25年度(25年3月~26年2月)の売上高は、店頭と卸売計で約1億円に達している。
食品部冷凍食品事業開発責任者の今井克俊氏は「国内の冷食市場は昨年で1兆円超。まだまだフローズングルメも伸ばしていきたい」と語る。来年4月からは飲食料品の消費税が1%へ引き下げられることもあり、「中食」の需要はさらに高まるとにらむ。

ローストビーフやグラタン、ロールキャベツなどが登場する
他方で家庭画報は、銀座のみにテーマを絞った「銀座別冊」を25年以上手掛けており、銀座の名店や魅力を紹介してきた。平沢香苗編集長は、「銀座特集の蓄積も生かした。1年以上かけて協議し、全国の読者と銀座をつなぐ商品を目指した」と説明する。また家庭画報では、編集力やネットワークを商品・体験の開発へ展開する取り組みを進めている。今回のコラボレーションは、雑誌のコンテンツを商品や体験へ広げる事業の第1弾に当たる。
コラボ商品は、「家庭画報×松屋銀座 銀ぶら コース仕立てセット」(2人前、3万9960円)と「家庭画報×松屋銀座 銀ぶら アペロセット」(1~2人前、2万4840円)の2種類を用意。コース仕立てセットは、複数の店の料理を組み合わせ、自宅にいながらコース料理を楽しめる構成とした。アペロセットは、酒とのペアリングを意識し、各シェフが料理に合わせた酒を提案している。販売は11月中を予定する。
精肉店「銀座吉澤」、老舗割烹「銀座はち巻岡田」、老舗洋食レストラン「銀座みかわや」、「銀座日東コーナー1948」、インド料理店「ナイルレストラン」、洋菓子店「銀座ピエス・モンテ」のメニューが登場する。セットには、イラストレーターの岡田みそ氏による、銀座のマップイラストを用いた手ぬぐいも封入。松屋銀座店の地下コンコースでは、コラボレーションに合わせたウインドー装飾も展開している。
今井氏は開発を振り返り、「コースメニューであるため、順番や組み合わせなど考えなればいけないことも多かったが、お互いの知見を生かした」と話し、「家庭画報は全国に読者がいて、知名度が高い。東京のみに店舗を構える当社にはない強み。販売でも、お互いの良さを生かせるのでは」と期待を込めた。
百貨店業界ではほかにも冷食事業へ参入する事例は多く、阪急うめだ本店は冷凍ケーキの宅配サービス「CAKE LINK」を20年から展開し、大丸松坂屋百貨店は冷凍グルメのサブスクリプションサービス「ラクリッチ」を23年に始めた(25年に終了)。最近では、9月に高島屋が独自の冷凍惣菜ブランド「百味彩菜(ひゃくみさいさい)」を立ち上げた。
他業種も含め競争は激化するが、ギンザフローズングルメは「銀座」イメージや高品質路線を打ち出すことで、独自のポジションを築きつつある。家庭画報とのコラボレーションによって全国的な知名度の向上も期待でき、さらなる成長が見込めそうだ。
(都築いづみ)