2026年03月31日

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大丸松坂屋のファッションサブスクが手掛ける古着リメイクコンテスト、グランプリに中村氏と穴山氏

「roop Award 2025-2026」の最終審査および授賞式は3月22日に開催

大丸松坂屋百貨店が手掛けるファッションサブスクリプションサービス「AnotherADdress(アナザーアドレス)」は3月22日、古着のリメイクを競う「roop Award 2025-2026」の最終審査および授賞式を行い、プロ部門は「MAISON CASANOVA」の中村有佑氏が、学生・アマチュア部門は「YURI ANAYAMA」の穴山友梨氏が、それぞれグランプリに輝いた。コンテストは2024年に続き2回目で、アナザーアドレスの利用者や大丸松坂屋百貨店の客らから約700着を回収し、プロやアマチュア、学生のデザイナーが約390着にリメイク。客や審査員の投票を経て、3月22日にはプロ部門の上位3人、学生・アマチュア部門の同8人がランウェイショーとプレゼンテーションに臨んだ。準グランプリはプロ部門が「KOHVA」の秋山和美氏、学生・アマチュア部門が「yui wakabayashi」の若林唯氏で、アナザーアドレス特別賞としてプロ部門は「Masaco Teranishi」の寺西昌子氏を、学生・アマチュア部門は「SHINOBU TOMITSUKA」の冨塚忍氏を選出した。

プロ部門のグランプリは中村有佑氏(中央)

学生・アマチュア部門のグランプリは穴山友梨氏(中央)

コンテストに応募した86人から、プロ部門の3人、学生・アマチュア部門の8人がファイナリストに名を連ねた。最終審査は渋谷ヒカリエの9階「ヒカリエホール ホールB」で、午後1時20分にスタート。俳優・モデルの高橋愛氏、ファッションジャーナリストの向千鶴氏、ファッションプロデューサー・服飾専門家のしぎはらひろ子氏、コンサルタントの福田稔氏、大丸松坂屋百貨店の宗森耕二社長ら9人の審査員が注視する中、まず学生・アマチュア部門、次いでプロ部門のランウェイショーとプレゼンテーションを実施。観客は固唾(かたず)を飲んで見守った。

厳正な審査の結果、最初に読み上げられた学生・アマチュア部門のアナザーアドレス特別賞は冨塚氏。続いて、若林氏が準グランプリに決まった。そして、グランプリを手にしたのは穴山氏。「アップサイクルという、時代に合った素敵な賞をいただけたことを、本当に嬉しく思います。これからも頑張りたいと思います」と喜んだ。

学生・アマチュア部門の準グランプリは若林唯氏(中央)

学生・アマチュア部門のアナザーアドレス特別賞は冨塚忍氏(中央)

プロ部門も、アナザーアドレス特別賞から発表。寺西氏が受賞した。残りは2人のため、先にグランプリを明かす。プレゼンターを務めた宗森社長に名前を呼ばれたのは中村氏で、直後に歓喜の声を上げた。

プロ部門の準グランプリは秋山和美氏(中央)

プロ部門のアナザーアドレス特別賞は寺西昌子氏(中央)

スピーチを求められた中村氏は、力を込めて語る。

「こんな機会を与えてくださって、ありがとうございます。本当に感謝しています。僕は今回、戦争のシンボルである軍服、それを壊して平和のバラをつくりました。コンセプトは『NO GUNS JUST ROSES』(=拳銃は要らない、バラだけを)です。『GUNS N’ ROSES(ガンズアンドローゼズ)』という伝説的なロックバンドの名前から取りました。トレンチコートを全部解体して今回のコレクションをつくらせてもらいましたが、 トレンチコートのルーツは軍服で、それを自分の手でバラバラに壊してクリエイションしました。 戦争の象徴を壊して、平和を願う美しい服へと再構築する。暴力ではなく、クリエイションによって世界を塗り替える。これが僕のデザイナーとしての反逆の形と思っています」

世界的に戦争や紛争が相次ぐ昨今、クリエイションを通じた“反戦”を訴求した。

グランプリを獲得した中村氏には100万円、穴山氏には50万円を贈呈。受賞した作品は6月を目途に、アナザーアドレスで貸し出す。コンテストは今後も継続する方針だ。

(野間智朗)