2025年10月15日

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J.フロントグループが手掛ける名古屋栄の商業施設、名称は「ハエラ」に コンセプトは「ミュージアム」

「ハエラ」の外観のイメージ

J.フロント リテイリング、大丸松坂屋百貨店、パルコ、J.フロント都市開発は来年の初夏、名古屋市中区錦三丁目で開発中の高層ビル「ザ・ランドマーク名古屋栄」の地下2階~地上4階に商業施設「HAERA(ハエラ)」を開く。延床面積は約1万8776㎡で、ファッションやアート、飲食など約65店舗で構成する。内装などは東京と台北で活動する建築設計事務所のNOIZが手掛け、ロゴのデザインは韓国・ソウルや米国・ニューヨークに拠点を置くデザインスタジオ、Ordinary Peopleが担当した。ザ・ランドマーク名古屋栄の近くには松坂屋名古屋店や名古屋パルコ、ビーノ栄、名古屋ゼロゲートなどグループの店舗があるが、他の施設やサービスなども含めて開業後は連携を強め、栄地区に来街者を誘致。グループの店舗の収益力を高める。

ハエラのコンセプトは「PUBLIC MUSEUM」。「感性が交差する場所として、新しいものやインスピレーションを集め、訪れる方それぞれのレンズで完成するミュージアムのような体験価値を提供する」という。約65店舗の詳細は来春に発表するが、久屋大通および大津通に面した場所にはラグジュアリーブランドの旗艦店を配置する方針だ。

NOIZによる内装は、各階を1つのスタイルを体現するギャラリーと捉え、床や天井に広がるパターンと家具やアイテムのオブジェクトを両極に据えるとともに、エレベーターやエスカレーターを交差させて階をまたぐ連関を生み出し、ミュージアムとしての統一感を演出する。同社によれば「不均質な天井のグリッドや、ずれと回転による床のタイル、幾何学的なイス、素材の力を凝縮させた柱などの間を縫う体験へと導き、ファッションやクラフトに根差した構成を体現。各階は物語の1つの章であり、その物語は来館者がそれぞれ自由に編み出していくという想いを込めた」。

内装は、東京と台北の2拠点で活動する建築設計事務所、NOIZが担当

ハエラという名称は「栄える」と「era」(=時代)からなる造語で、「次の栄えるをつくる、街の新しい賑わい、時代をつくっていく起点になりたいという想い」が込められている。ロゴのデザインは、漢字の「栄」がモチーフ。Ordinary Peopleによれば「時代とともに変容する漢字から着想を得て、伝統的な形状を残しつつも、新たな時代に響くモダンなムードで表現した。伝統と新しさのバランスの取れた、この融合によって、躍動的かつ進化し続けるハエラのアイデンティティを映し出し、これからの成長と革新のための舞台を整えていくというイメージで制作した」という。

ザ・ランドマーク名古屋栄は地下4階~地上41階、塔屋1階、高さ約211mの高層ビルで、敷地面積は4866.40㎡、延床面積は約10万9700㎡。ハエラ以外は5~9階にシネマコンプレックス「TOHOシネマズ」、12~30階にオフィス、10~11および31~41階にラグジュアリーホテル「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」が入る。来年3月の竣工、同夏頃の開業を目指して建設が進み、デベロッパーには三菱地所、J.フロント都市開発、日本郵政不動産、明治安田生命保険相互会社、中日新聞社が名を連ねる。