高島屋、聴覚や触覚で楽しむインクルーシブファッションを提案
ブラインド・コミュニケーターの石井健介氏(左)と、高島屋MD本部婦人服・婦人雑貨・子供・ホビー部課長マーチャンダイザーの竹村健太氏
高島屋は、インクルーシブファッションのポップアップ「Fashion for ALL your SENSES」を開催している。視覚障害を持つブラインド・コミュニケーターの石井健介氏をキュレーターに迎え、アパレル企業5社が参加・協業。触覚や聴覚でデザインを楽しめるカットソー約50種類を開発した。4月29日~5月5日に日本橋店、5月13~19日に新宿店、5月27日~6月2日に大阪店で展開する。
「ウキウキ」「ふんわり」などオノマトペを表現

「ふんわり」を表現するため、ペプラムやパフスリーブを取り入れたカットソー(1万7600円)
同社はサステナブル活動「ツナグ アクション」の一環として、視覚障害のある人と共に、全ての人がファッションを楽しめる社会を目指したプロジェクト「Fashion for ALL your SENSES」を立ち上げた。昨年4~5月に初めてのポップアップを開催し、今回は2回目に当たる。
目玉となるのは、衣服の質感や印象を「ウキウキ」「キッチリ」「ふんわり」など、6種類のオノマトペを切り口に表現したカットソーだ。例えば、ウキウキは立体的なモチーフや刺繍を取り入れ、キッチリはピンタックやドレープなどのディテールを採用した。
高島屋MD本部婦人服・婦人雑貨・子供・ホビー部課長マーチャンダイザーの竹村健太氏は、「オノマトペは感情に訴えるワード。見える・見えないの垣根を越えて共感を呼ぶのではと考えた」と説明する。

アートコラボしたカットソー(1万3200円)。指向性スピーカーも配置し(右上)、近づくと音楽が聴こえるようになっている
音楽を通じて服の世界観を表現する試みも導入した。同プロジェクトに賛同したブランド「サロン アダム エ ロペ」がアーティストを起用し、イラストとそれに連動した楽曲を制作。イラストを落とし込んだカットソーもつくった。会場で音楽を流し、来場者が「聴く」ことでデザインの背景やイメージを体感できる仕掛けとした。
昨年の経験を糧に、ファッション性を大幅に強化
石井健介氏がキュレーターになったきっかけは、前回のポップアップだった。店頭へ行ったところ、「”見えない人が関わる”ことに重きを置きすぎて、ファッション性が損なわれていると感じた」(石井氏)という。プロジェクトの担当者である竹村氏に率直な意見を伝え、そこからプロジェクトへの参加に至った。