三陽商会、ファッションビル展開の新ブランドを今秋から 櫛部美佐子氏がディレクター
機能性と快適性、ファッション性も備え、第2の肌のような未来の日常着を提案する「AUREME(オーレム)」
三陽商会は今秋、オリジナルの新ブランド「AUREME(オーレム)」の展開を始める。2025年4月に公表した中期経営計画の成長戦略「新規自社ブランドの開発」の一環で、9月から店舗、ECでの販売を開始する。5年でファッションビルを中心に、約10店舗を開く予定。ディレクターには国内アパレル界で活躍する櫛部美佐子氏を迎え、機能性とファッション性を両立した高付加価値デイリーウエアを展開する。4月29日には東京・千代田区の科学技術館でライブエキシビジョンを開催し、秋冬コレクションを披露した。
三陽商会は、中期経営計画(26年2月期~28年2月期)で新規自社ブランドの開発を新たな成長戦略に掲げている。百貨店以外の、ファッションビルや商業施設、ECを販路とするブランドの開発を重要戦略の1つとし、オーレムで販路開拓の強化、新規顧客層の獲得を目指す。

高機能とモードデザインが融合する「FUNCTION」
ブランド名は、気配や空気を意味する「AURA」と自分を表す「ME」が由来。「空気をまとい素肌に寄り添う 未来のための日常着」をコンセプトに、ウィメンズを中心に誰もが着こなしを選べる設計とし、性別による境界を設けない。主なターゲットは40代~。ボトムス(2万4200円~5万5000円)からシャツ・ブラウス(2万5300円~4万9500円)やニット・カットソー(8800円~6万6000円)、ブルゾン・ジャケット(4万4000円~11万円)、雑貨(5500円~11万円)まで単品のアイテムを充実させ、100~120型揃える。

シームシーリング加工された「FUNCTION」のアウター
アイテムは、①「FUNCTION」②「DAILY USE」③「COMFORTABLE」――の3つのカテゴリーからなる。いずれも気候や環境の変化に晒される都市生活者に向けた、機能性とファッション性を備えた高付加価値デイリーウエア。①FUNCTIONは、縫い目からの水の侵入を防ぐ「シームシーリング加工」を施した素材を用いたアウターやブルゾン、セットアップをコアアイテムとしてラインナップする。透湿性やはっ水性、防風性に優れており、縫製技術の高い自社工場を抱えるからこそのアイテムになっている。

3つのカテゴリーのミックスコーデも提案
②DAILY USEは、シャツやブラウス、カットソー、ニット、ボトムスをコアアイテムとする。着心地を重視しつつ、遊び心のあるデザインと美しいシルエット、抗菌防臭、防しわ、防汚機能も備えることに特徴がある。③COMFORTABLE」は、肌に優しく、環境負荷を低減する生分解性素材を使ったニットやスウェット、ジャージーがコアアイテム。快適さを追求し、素材にもこだわっている。

購入アイテムは、ブランドメッセージがプリントされた風呂敷(大小あり、有料)に入れて手渡す
ファッションディレクター兼デザイナーの櫛部美佐子氏は、「スポーツをするため機能性が高いウエアを着用するが、ファッション性のあるものがなく、撥水性や透湿性、吸水速感性といった機能性をモードに取り入れたいと思っていた。気候変動など環境の変化が進むことも想定していたため、環境負荷を低減する素材を用いることも考えていた」と述べ、「そんな構想が約10年前からあり、自分が表現したいことと合致する形で「AUREME(オーレム)」が実現した。未来の日常着をテーマとしているが、デザイナーズブームの影響を受けてきた世代でもあり、第2の肌になるような、モードベースの未来型のファッションを発信していきたいと思っている」と語った。

ファッションディレクター兼デザイナーの櫛部美佐子氏
経営統轄本部IR・広報戦略部広報課の齊藤登紀子課長代理は、「9月に実店舗を開店し、ECも展開するが、今後5年間で10店舗開いていく計画。急いで展開せず、まずはブランド周知に取り組み、5年後に売上高20億円を目指す」と今後の計画を述べた。
(北野智子)