大丸松坂屋の「明日見世」、前期間に過去最高の売上高
「変わる景色、変える景色」をテーマに、23のブランドを揃えた
大丸松坂屋百貨店が大丸東京店の9階で運営するショールーミングスペース「明日見世」が、昨年11月12日から今年2月3日の期間に、過去最高の売上高を記録した。ブランドの数が過去最多の27に上ったほか、出品料が2番目に高い契約形態「BRANDING」(1カ月当たり110万円)が1社から3社に増加。ブランドと百貨店の双方からの送客が相乗効果を発揮し、初めて集積した加湿器や布団乾燥機をはじめ季節商材の売れ行きも好調だった。2月4日~4月28日は「変わる景色、変える景色」をテーマに、23のブランドを揃え、勢いに弾みを付ける。
明日見世は3カ月ごとにテーマやブランド、展示などを一新する。今回は再登場のブランドが10(明日見世が4階にあった時を含む)と多く、バレンタインデーやホワイトデー、新生活のスタートなど贈答需要が高まる“ヤマ”を狙ったようだ。
うち大和屋のブランド「yamatoya」は契約形態を「STANDARD PLUS」(1カ月当たり60万円)から「PREMIUM」(同200万円)に切り替えており、本気度がうかがえる。PREMIUMはポップアップストアの形態で出られ、yamatoyaは前回6色が完売したベビーチェアに加え、ベビーベッドや机もラインナップした。明日見世のマネージャーを務める大貫哲也氏は「PREMIUMに魅力を感じ、この3カ月でのチャレンジを決めてくれた。前回はフィードバックがしっかりできて、一定数の販売もあった。明日見世の周辺には子供服関連の売場が広がり、親和性も高い」と、契約形態が変わった背景を説明する。

大和屋のブランド「yamatoya」はポップアップストアの形態で展開
「THANKO」も前々回の「STANDARD」(1カ月当たり30万円)からBRANDINGに“アップグレード”して展開。今回はキッチン家電を中心に揃え、什器にもこだわった。THANKOは家電メーカーのサンコーのブランドで、ネッククーラーなど数々のヒット商品を生み出してきた。
BRANDINGでは、他に東京建物とリバネスが連携して進めるプロジェクト「Regenerative City Tokyo」が「amu」「buoy」「colourloop」を、三省製薬が「DERMED」「IROIKU」を、それぞれ訴求。Regenerative City Tokyoはスタートアップのブランドをピックアップしており、amuは廃漁具由来素材を用いた商品を、buoyは海洋プラスチックごみを使った商品を、colourloopは廃棄繊維を色で分けてアップサイクルした商品を扱う。三省製薬のDERMEDはスキンケアブランド、IROIKUはジェンダーフリー美容液だ。
三省製薬は常連だが、Regenerative City Tokyoは「ピックアップしたブランドにマーケティングの知識がまだなく、店頭での表現、商品のラベルやパッケージなどに課題を抱えている。その知識をブランドに提供するため出店した。プロジェクトの認知度の向上にもつなげたいようだ」と、大貫氏は語る。
大貫氏のイチオシは「ヒカリノマモリ」だ。交通安全や防犯に関する商品を手掛けるフシミが立ち上げた反射材付きのウエアで、夜にランニングやウォーキングを楽しむ人の事故を抑制する。機能性だけでなく、ファッション性へのこだわりも“光る”。
前回に引き続き、若手のアーティストと協業したインスタレーションも展示。写真家のKae Homma氏、Nobuko Baba氏、Iuka氏、Tat氏、相澤有紀氏が「公園」をテーマに撮った写真を、レジャーシートにプリントして並べた。同じテーマでも切り口は全く異なり、5人の個性が目を惹く。
(野間智朗)