2024年04月24日

パスワード

東京ソワール、純利益1.5倍 主力のブラックフォーマル好調

中期経営計画の最終年度を迎える今年は、創立55周年の節目の年でもある。フォーマルのリーディングカンパニーとして、さらに存在感を高める

東京ソワールの2023年12月期(23年1~12月)通期連結業績は、当期純利益が前期比53.9%増の7億9800万円と大幅な増益を遂げた。オケージョンやイベントの復活などフォーマル需要が回復し、同社の主力商材で粗利益率の高いブラックフォーマルの売上げ増が寄与した。売上高は同5.5%増の150億2600万円と堅調に推移。営業利益は同53.4%増の5億2000万円、経常利益も同37.5%増の6億1700万円と前年を大きく上回った。

昨年5月に、新型コロナウイルス感染症5類移行で行動制限が緩和したのに伴い、顧客のリアル店舗への回帰がみられ、メインである小売、卸売事業が着実に売上げを創出した。

小売事業のSCでは、直営店「フォルムフォルマ」の新規出店や来店客の増加により売上高前期比12.1%増、ECではポイント制導入や限定商品提案などを実施し、同10.9%増を記録。卸売事業ではSC同様に来店客数増加で、百貨店が同4.8%増、量販店が同2.7%増となった。レンタルやライフスタイルブランド「kuros’」の新規事業も、リアル店舗とECサイトの連携、商品拡充や環境整備、各種プロモーションに取り組み、レンタルで同34.3%増、kuros’では同60.6%増。全体売上げ構成比では前期比0.2ポイント増に留まっているが、金額ベースでは大きく伸長した。その他事業の専門店、通販では、海外生産品の納期遅延が影響し、同5.5%減となった。

商品別売上高は、ブラックフォーマルが前期比7.3%増の99億1700万円、カラーフォーマルが同1.1%減の26億1700万円、アクセサリー類が同6.1%増の24億9200万円。ブラックフォーマルは需要回復に加え、春の卒入学シーンへのキャンペーン実施をはじめとした販促が実を結び、全体の売上げをけん引した。一方、カラーフォーマルは減少。コロナ禍の影響で資材調達や生産体制が万全でなく、ニーズの高い春の時期に十分な供給ができなかったことが原因となった。

利益面では、原材料価格の高騰に伴う影響はあるものの粗利益率の高いブラックフォーマルの売上げ増により、大幅な増益を遂げた。売上総利益は前期実績より6億1100万円増の78億3000万円、売上総利益率は前期の50.7%から52.1%に改善した。販管費は売上高増加に伴う変動費がプラスとなったのをはじめ、今後への投資も加わり、前期比6.3%増の73億1000万円。販管費が増加したものの増収分で吸収し、営業利益は同1億8100万円増、経常利益は同1億6800万円増、当期純利益は同2億7900万円増だった。これらの結果は、現行の中期経営計画(22年12月期~24年12月期)に基づく「効率的な財務体質の構築」を推し進めたことも寄与した。

24年度(24年1~12月)は、22年度を初年度とする中期経営計画の最終年度。売上高155億円、営業利益3億円、経常利益4億円、当期純利益3億円を計画する。「原価高騰の影響による売上総利益率の減少」「店舗拡大や出店など今後への投資による販管費増加」を見込んだ数値設定だ。23年度に対して増収減益を予想するも、「現中期経営計画の達成とビジョンの実現に向けた挑戦」への手は緩めない。

小売事業では、ドミナント戦略で意欲的に行うフォルムフォルマの出店を継続。今年は5店舗を目標に掲げる。インスタグラムやユーチューブを活用し、さらなる若年顧客獲得に注力する。ECも、ドレスブランド拡大や顧客分析徹底などで新たなファンの創出、EC化率向上を目指す。卸売事業は、自社ショップ拡大への事業モデル確立や、販路特性に合致した商品企画・提案の強化、同社1社体制のモノポリー化を推進。レンタルでのECサイトの利便性向上や、kuros’での大口受注対応にも取り組んでいく。

新たな経営理念を記したクレドカード。これからも“想い”を大切に、持続的成長へつなげていく

今年は東京ソワールが株式会社化して55周年。小泉純一代表取締役社長は「お客様の気持ちに寄り添った、社会に貢献できる企業になっていく。50周年の時も『さあ頑張るぞ!』としたものの、翌年からコロナになってしまった。今年は将来に向けてのリスタート(再出発)」と気持ちを新たにした。

(中林桂子)